
フォーミュラE参戦2年目のローラ・ヤマハ・ABTが、第9戦モナコE-Prixから第11戦三亜E-Prixまで3レース連続でポイントを獲得した。3戦で計7ポイントを積み重ねたルーカス・ディ・グラッシと、開幕戦で自身初のポイントを獲得したゼイン・マロニーのふたりとともに、チームは着実なパフォーマンス向上を示している。

20日に開催された中国・三亜E-Prixでは、チーム代表のマーク・プレストンがオフィスでの業務やGen4マシンのテスト準備のため欠席。そのため、ローラのスポーティングディレクターを務めるフレッド・エスピノスが代表代理としてチームを率いた。
パワートレインの変更で40グリッド降格および10秒のストップ&ゴーペナルティを科されながらも、10位で1ポイントを獲得したシーズン3チャンピオンの活躍を、エスピノス代表は「300kWでのペースが非常によかった」と明かす。
「今週末はルーカス(・ディ・グラッシ)にペナルティがあったため、ゼイン(・マロニー)とは異なるアプローチを進めてきました。ルーカスとは多くの時間をレースの準備に費やし、すべてのセッションで多くのラップを重ね、レースペースを確認していました」
週末を通して決勝を見据えた準備を進めてきたディ・グラッシ。その献身的な姿勢について、エスピノス代表代理は「チームをけん引し前進させ続けてくれるドライバー」と高く評価した。
「ルーカスは予選でさえ、意図的にペースを抑えて9周も走りました。これは通常の予選ではまずやらないことです。それでも冷静さを失うことなく走り続けました。彼が非常に経験豊富なドライバーであることがよく分かるでしょう。ルーカスは、このような状況でチームを助けてくれる存在なんです」
一方異なるアプローチをとりながらも、2台のマシンそれぞれが非常によい状態で走行できたと明かすエスピノス代表。そのなかでマロニーも300kW走行では週末を通じて高い競争力を見せていたというが、グループ予選のアタック中に壁に接触しデュエル予選進出を逃した。
「ゼインも300kWでのパフォーマンスが非常に良く、FP1でもFP2でも常にトップ6に入っていました。予選では、デュエルに進めるだけの車があったものの、不運にもマシンをコントロールしきれずに壁にヒットしてしまいました」

決勝では、スタート直後に10秒ストップ&ゴーペナルティを消化し集団のはるか後方を走行することになったディ・グラッシ。その状況を前に、エスピノス代表は「冷静に走るように」と伝えていたと明かす。
「ルーカスと彼のエンジニアには『冷静にしていれば、レースはこちらに向いてくる』と伝えていました。(ペナルティ消化後は)後方でセーフティーカーを待っていましたが、不運なことにターン9で他車に押し出されてしまい多くのポジションを落としました」
そのディ・グラッシも巻き込まれたターン9での多重クラッシュにより赤旗が掲示され、レースは仕切り直しに。後方走行中に温存していたエネルギーを武器にディ・グラッシは順位を挽回し、マロニーとともにポイント争いを展開。最終的にディ・グラッシが10位、マロニーが11位でチェッカーを受けた。
「赤旗の後は、すべてのパフォーマンスを最適化して10位と11位まで持っていくことができました。レースはカオスな展開でしたが、私たちは非常にうまくマネジメントできました。」
一方で、エスピノス代表はこの好結果には完全に満足してないとも話し、さらなる飛躍を誓った。
「3レース連続でポイントを獲得できているのは嬉しいですが、一方でもっと上の結果を狙えたはずなので、少し満足いかない部分もあります。2台揃って6位や8位、そのあたりを狙えると感じています」
(文・写真=矢野 巧)







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