
6月20日に開催された三亜E-Prixに続き、7月3日にはダブルヘッダーの上海E-Prixが開幕する予定のABB FIAフォーミュラE世界選手権。急速なEVシフトの進む中国は、シリーズにとって2大会を開催するにふさわしい重要市場だ。
そんな中国ラウンドを前に、クプラ・キロのラッセル・オヘイガン代表は”思わぬ中国滞在”をすることとなった。
チーム本拠地の英国からクルーより数日遅れて出発することとなったオヘイガン代表は、海南島・三亜へ向かう途中、上海で乗継便に搭乗するため、浦東国際空港から虹橋国際空港まで地下鉄で約1時間かけて移動したという。
「(滞在は)良かったです。昨日は上海の街を移動しましたが、とても簡単で、とても快適で素晴らしかったです」
フォーミュラEの仕事に就く以前は、アジアを拠点とする選手権であるGTワールドチャレンジ・アジアで活動していたオヘイガン代表。頻繁にアジア各地を訪れていたという。
「5〜6年ほどアジア中を頻繁に旅していました。中国にはもう20年ほど来ていますが、その間の変化は本当に大きいですね。英語を話す外国人でも案内表示を見つけやすく、助けを求めることも非常に簡単になりました」
「チームとしても、中国でのレース、そして東京でのナイトレースという、このアジア遠征を本当に楽しんでいます。これからも楽しみなことがたくさんありますからね」

そのアジアラウンドではヨーロッパラウンドとは大きく異なる暑さと湿度への対応が求められる。三亜E-Prixでは気温30℃を超え、湿度は90%に達する過酷なコンディションのなかでレースが行われた。
しかし、この酷暑にもオヘイガン代表は「異なる気温やあらゆる種類の異なる天候でのレースに向けて、常に体系的な準備を行っています」と、すでに想定した範囲であることを強調する。
「湿度の高いレースだからといって、大きく違うわけではありません。ですが、高湿度で高温、雨が降る可能性もかなり高くスコールも予想されるレースに向け、車どのように準備するかという点ではやるべきことが多くあります」
特に三亜E-Prixの週末ではスコールをはじめとする荒天が予想されていた。その準備には「適応力」が必要にだったと明かす。
「どうアジャストし整えるかという点でも、多くの要素が絡み合います。急な雨が降る可能性がありますから、ドライのセッティングからウェットのセッティングへいかに迅速に切り替える準備をするかが重要になります。例えば予選の10分前にスコールが来た場合に対応できるか、ということですね」
さらに、過酷なコンディションのなかで迫られるのは車の準備だけではない。チーム運営の生命線であるクルーの水分補給や、ラップトップの熱管理を適切に行うことが重要だとオヘイガン代表は話す。
「スタッフの水分補給をどう維持するか、いかに涼しく保つか。さらにITの観点からも、ノートパソコンやサーバーをどうやって冷却するかといった問題もあります。周囲の環境が厳しい中でのレース運営には、かなりの労力がかかります」
「このような環境ではさまざまな事柄への対応が非常に重要になりますからね」
(文・写真一部=矢野 巧)







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