エバンス、史上最多勝を16に更新。勝機は「後方スタートのリスクを受け入れた」ことにあり。【ベルリンE-Prix プレスカンファレンス】

エバンス、史上最多勝を16に更新。勝機は「後方スタートのリスクを受け入れた」ことにあり。【ベルリンE-Prix プレスカンファレンス】

 5月3日、ABB FIA フォーミュラE 世界選手権の第8戦ベルリンE-Prixがテンペルホーフ・サーキットで開催された。母国レースとなったポルシェ・フォーミュラEチームのパスカル・ウェーレインが3位、日産フォーミュラEチームのオリバー・ローランドが2位と昨日に続き2戦連続で表彰台を獲得した。
優勝はジャガー・TCS・レーシングのミッチ・エバンス。自身が持つフォーミュラE史上最多優勝記録を16に更新する勝利で、ドイツの首都でのレースを締めくくった。
 表彰台を獲得したこの3人が、レース後プレスカンファレンスに登壇した。


ミッチ・エバンス
ジャガー・TCS・レーシング

photo: Joe Portlock/LAT Images

ミッチ、17番グリッドからスタートし、16勝目をマークした非常に戦略的なレースでした。
予選で新品タイヤを温存する戦略はもともと計画していたものだったのでしょうか。
(エバンスは予選で中古タイヤを選択しグループ予選敗退。温存した新品タイヤをレースで使用した。)

(タイヤ温存戦略を選んだ)主な理由は、今週末ずっと1周の速さが不足していたためです。昨日の予選も、僅差ながら16位に終わりました。今シーズンの大半は予選で本来の速さを出せず、苦労しています。
ですから今日、どうせ後方からのスタートになる可能性が高いのだから、「いっそタイヤを温存して後方スタートを受け入れよう」とチームに提案しました。(レースでの)新品タイヤがどれほど功を奏したかを判断するのは難しいですが、少なくともマイナスにはなりませんでした。

レース運びに関しては、とにかく忍耐強く、最初のアタックモードに入る適切なタイミングを待つだけでした。無線で聞く限り、(エバンスの残り)エネルギーのアドバンテージはかなり大きかったので、機をうかがっていました。
同じ戦略をとっていた他のドライバーたちは少し早めにアタックモードに動いたので、適切なウィンドウを逃したかもしれないと不安にもなりましたが、待てば報われると確信していました。
終盤は異なるアタック戦略をとっていたドライバーとの差を考えつつ、バッテリー温度の管理に努めました。最後の方はかなり余裕があり、最高の一日にすることができましたね。

今週、ジャガー離脱発表がありましたが、いまの心境を教えてください。オペル移籍の決断自体は今週ではないと思いますが、公になったのは初めてのことでした。チームとのレースも残りあと9戦ですね。

Photo: Simon Galloway/LAT Images

チームを去ることになったのは少し前のことでしたから、ニュースが出ても驚きではありませんでしたね。しかし、やはり公になるとより現実味を帯びてきます。月曜日にニュースが出たときは不思議な気分でした。
ですが、今はジャガーのドライバーですし、チームと一緒に初のチャンピオン獲得を目指しています。ジャガーとの最後のシーズンに達成できれば、素晴らしい物語になりますからね。

自分としては、一戦一戦をこなし、着実にポイントを積み重ねようといつも通りの仕事をするだけです。これから最後のレースまで、特に何かが変わることはありません。持てる力を最適化し、タイトルを掴み取れるよう努力するだけです。

数週間後には、モナコで再びステアリングを握ることになりますね。チャンピオンシップリーダーのパスカル(ウェーレイン)とは3ポイント差ですが、いかがでしょう。

モナコは得意なトラックですが、今の1周の速さはまだ十分ではありません。例年ほど簡単にはいかないと思います。昨季に比べ、タイムを揃えるのがずっと難しく感じます。何が起きているのか、なぜペースが不足しているのかを突き止めなければなりません。
非常に僅差の戦いですから、速く走るためにはすべてを完璧にする必要があります。
常に追い上げを強いられるのではなく、予選のパフォーマンスを立て直せるよう願っています。チームとは話し合っていますが、これはここ数戦ずっと議題に上がっているテーマです。モナコは予選が非常に重要になるレースですし、できるだけ早く解決したいですね。最近は良い戦略とレースペースのおかげで挽回できていますが、やるべきことはまだあります。


オリバー・ローランド
日産フォーミュラEチーム

Photo: Simon Galloway/LAT Images

オリバー、今週末も良い結果で締めくくることができましたね。

本当に良かったです。今シーズンはコンスタントに表彰台は獲得していましたが、3回のノーポイントがチャンピオンシップに響いていて、あまり良いスタートとは言えませんでした。
ミッチと同様に、私も1周のパフォーマンスには少し苦労していましたが、今週末は適切な方向に一歩踏み出せたと思います。この方向で努力を続けて予選を改善できれば、今日のようなペース勝負の展開でも最後までポイントを争えるはずです。ここは(昨季チャンピオンを獲得した)良い思い出がありますし、この週末を経てさらに特別な場所になりました。

ミッチと同様に、後方からスタートするリスクを取りましたね。トラックポジションが重要ではないと分かってのことでしょうがレース中に「失敗だったかも」と思った瞬間はありましたか?

なかったです。チームを納得させるのには長い時間をかけました。普段、リスクをとることに関してはかなり消極的で、この戦略を提案したときは、おそらく実現しないだろうという結論に至りました。
しかし、FP3の後に再度提案したところ、「話し合う時間をくれ」と言われました。
普段なら答えは「ノー」なのですが、今回は「やっていいよ」と言ってくれました。ですから、プレッシャーはかなり感じていました。でも仕事をやり遂げることができて、本当に良かったです。

今週末、体調が優れないという話もありましたが、いかかだったのでしょう。

ヘルメットを被ってさえしまえば、それほど悪くはありません。ただ、夜や朝起きるときが少し辛いですね。ウイルスか何かにかかっていたようで、金曜の夜はずっと吐き気が止まりませんでした。この2日間、安静時の心拍数が100くらいあったので、戻ったらちゃんと病院に行きます。
今は気分もいいですし、あと数日で回復すると思います。ヘルメットを被ればただ集中して走れますし、体調が悪い時の方がうまくいくのかもしれませんね。


パスカル・ウェーレイン
ポルシェ・フォーミュラEチーム

パスカル、ドライバーズチャンピオンシップ首位でこの週末を迎え、首位で週末を終えた、成功の週末でしたね。

今日のペースは素晴らしいものでした。予選もレースも、自分たちの発揮できた能力は傑出していました。チームに感謝しています。
もちろん昨日はもっと良い結果、より多くのポイントを得られたはずでした。(ジェイク・デニスとの)軽い接触でタイヤが壊れてしまったのは非常に不運でした。
今日は再び良いペースを見せることができました。私はおそらくレース中ずっと先頭を走っていたうちのひとりでしたが、後方からスタートしたオリーとミッチは私よりエネルギーに余裕がありましたから、その中であれだけ競争力のあるレースができたのは非常に良かったと思います。タイヤも他のドライバーより数周多く走っていましたし。

昨日チームメイトのニコ・ミュラーが初優勝を挙げたこともあり、ポルシェにとって非常に特別な週末になりましたね。翌日もレースがある中でのお祝いはどのような感じでしたか?

今日なら皆でパーティーができたでしょうが、昨日はそうはいきませんでした。土曜日に勝つことの欠点ですね。
私個人としては、昨日はあまり祝うような状況ではありませんでした。ですから、しっかり夕食を食べて気持ちを切り替え、過去のことは忘れ今日強くなって戻ってくることだけを考えていました。それは達成できましたね。

今夜は大きなジョッキのビールを飲みに行きましょうか。

遠慮しておきます。少し胃の調子が良くないので…(笑)。

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