
ポルシェ・フォーミュラEチームは、8月15日から16日にかけて開催される2025/26シーズン最終戦ロンドンE-Prixで、Porsche 99X Electricに歴史的なレーシングカーをモチーフとした特別カラーリングを採用する。

今回のロンドンE-Prixは、今シーズンの最終戦であると同時に、Porsche 99X Electricにとって最後のレースでもある。
99X Electricはこれまでに5つのワールドチャンピオンを獲得。ポルシェは同車をフォーミュラEのGEN3世代で最も成功したマシンであり、同社史上最も成功したシングルシーターとして位置づけている。
ポルシェは7月末に開催された東京E-Prixで、すでにマニュファクチャラーズ・チャンピオンを獲得。ロンドンでは、ドライバーズ・チャンピオンとチーム・チャンピオンを含めた3冠を懸けて最終戦に臨む。
ドライバーズランキングでは、ポルシェのパスカル・ウェーレインが141ポイントで3位につけており、首位ジェイク・デニスとの差はわずか5ポイント。デニスもポルシェのカスタマーチームであるアンドレッティ・フォーミュラEのPorsche 99X Electricを駆る。
チーム・ランキングでは、ポルシェ・フォーミュラEチームが243ポイントで2位。首位ジャガーTCSレーシングとの差は14ポイントとなっている。
また、ニコ・ミュラーもドライバーズランキング首位から44ポイント差で、数学上はタイトル獲得の可能性を残している。現在のポイント差から、ポルシェがドライバーズ、チームいずれかのタイトルを決定できるのは、日曜日に開催される第17戦となる。

1980年代の名車をイメージした特別カラー
ポルシェは2026年、モータースポーツ活動75周年を迎えている。
その歴史は1951年、Porsche 356 SLがル・マン24時間レースでクラス優勝を果たしたことから始まった。

99X Electricが最後のレースを迎えるロンドンでは、この節目を記念し、1980年代に活躍した複数のポルシェ・レーシングカーのカラーリングやデザインをモチーフとした特別カラーが採用される。
その中には、1986年のパリ・ダカールラリーで総合優勝を果たしたPorsche 959や、スポーツカーレースで数多くの成功を収めたPorsche 956、Porsche 962 Cが含まれる。
956は1982年と1983年、962 Cは1986年と1987年にそれぞれル・マン24時間レースで総合優勝を果たした。

ポルシェにとって特別なロンドン
ロンドンE-Prixが開催されるExCeLサーキットは、近年のポルシェにとって多くの成功を収めてきた舞台でもある。
2024年にはウェーレインがロンドンでポルシェに同地初勝利をもたらすとともに、自身初となるフォーミュラEドライバーズ・チャンピオンを獲得。
2025年には、ポルシェ・フォーミュラEチームがロンドンでチーム、マニュファクチャラーズの両ワールドチャンピオンを獲得した。

さらに2023年には、アンドレッティのジェイク・デニスがPorsche 99X Electricを駆りドライバーズ・チャンピオンを獲得。これはポルシェにとって初のドライバーズ・チャンピオンである。

全長2.077kmのExCeLサーキットは、展示会場の建物内と屋外区間の双方を走行する、フォーミュラEカレンダーでも唯一のレイアウトを持つ。特に雨天では屋内と屋外で路面のグリップレベルが大きく変化するため、シーズンでも屈指の難易度を持つサーキットのひとつとなっている。
「最後まで全力で戦う」ウェーレイン
ポルシェ・フォーミュラEのファクトリー・モータースポーツ・ディレクターを務めるフロリアン・モドリンガーは、最終戦を前に次のようにコメントした。
「ロンドンを前にした状況は簡単ではありません。ドライバーズでは5ポイント、チームズでは14ポイントの差があります。ただ、2024年にはチームとして逆転できることを証明しました。当時パスカルは12ポイント差を追いかけていました。
何が起こっても、我々はチームとして一緒に勝ち、一緒に負けます。それだけは確かです。ロンドンのサーキットでは常に驚くようなことが起こり得ます。非常にエキサイティングな週末になるでしょう。チェッカーフラッグまで全力で戦います。」

ウェーレインも、タイトル争いに残っていることを前向きに捉えている。
「シーズン前から、タイトルを争える状態でロンドンを迎えることが目標でした。それを達成できているのはポジティブです。一方で、今シーズンはもっと結果を残せたレースもいくつかありました。それでもタイトル争いに残り、自分たちの手で結果を決められる状況にいることは良いことです。
マニュファクチャラーズ世界選手権はすでに獲得しました。今度は、さらに多くのタイトルを獲得するために全力を尽くします。」

Racing for Charityも最終戦へ
ポルシェは今シーズン「Racing for Charity」と題した慈善活動を実施している。
ウェーレインとミュラーがPorsche 99X Electricでレースを1周走行するごとに、ポルシェが400ユーロを寄付するというもので、支援金は重病を抱える子どもたちを支援する団体に贈られる。
最終戦を前にした時点で寄付総額は39万ユーロに達しており、最終的な金額はロンドンE-Prix終了後に発表される予定だ。

2025/26シーズンのフォーミュラE最終戦ロンドンE-Prixは、8月15日、16日に開催される。
両日とも予選は現地時間10時40分、決勝は15時05分にスタート予定。
Porsche 99X Electricにとって最後となるレースで、ポルシェはさらなる世界選手権タイトル獲得を目指す。
(文=河合優利)




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