
フォーミュラE史上最多の優勝記録を持つミッチ・エバンスは、10年間所属したジャガーを離れ、ABB FIA フォーミュラE世界選手権 2026/27シーズンからオペル・GSE・フォーミュラEチームに加入する。ドイツの老舗自動車メーカーであるオペルにとってはフォーミュラEへの新規参戦となる。
オペルは9月、エバンスとの契約締結を発表した。チームメイトには、23歳のルーキー、テオ・プルシェールを起用する。
エバンスは、新たなマニュファクチャラーとの新たな挑戦を前に心境を語った。
2025/26シーズンの最終戦ロンドンE-Prixでは、幾度となく手が届きかけたドライバーズタイトルを再び逃した。長年所属したジャガーとの別れも重なり、シーズン終了直後には複雑な感情があったという。
「ドライバーズチャンピオンシップをわずかに逃したことや、長年所属してきたジャガーを離れることになり、複雑な感情もあり、少し不思議な感覚でした」
一方、オペルへの移籍発表を終えた現在は、新たな挑戦を前向きに受け止めている。
「でも、すぐにオペルの活動がスタートし、いろいろなプロモーションにも参加しました。契約発表も非常にポジティブなものになりましたし、長い間話せなかったニュースをようやく公表できうれしかったです。オペルへの加入は、とてもいいスタートになりました。人生におけるこの新しいチャレンジをとても楽しみにしています」
エバンスは2025/26シーズン開幕時点ですでにジャガーを離れる決断をしていたという。Gen4導入を機に新たなチームを探す中で、複数のチームからオファーを受け、トップチームとも交渉を進めていた。その中で、新規参戦となるオペルを選んだ背景には、フォーミュラEに対する姿勢と、チーム代表を務めるイェルク・シュロット氏の存在があった。
「Gen4に向けて別の道を探すと決めた時点で、トップチームを含めて多くのチームからいいオファーがありました。その中でオペルは、フォーミュラEに新しいブランドとして参入するという点が非常に興味深く、際立っていました」
「イェルク(・シュロット代表)やオペルのみんなと最初に話をした段階から、フォーミュラEへの取り組み方に非常にポジティブな印象を持ちました。フォーミュラEで何を達成したいのかという部分でも、僕と共通する情熱がありました」
実際にオペルのファクトリーを訪問したことで、チームのビジョンや開発に投入されるリソースを確認したことも、決断を後押ししたという。
「ファクトリー施設も訪問し、オペルがどのようなビジョンを持っているのか、どれだけのリソースがあるのかを見ることができ、どれだけGen4開発に真剣に取り組もうとしているのかも分かりました」
チームを選ぶ上で最も重視したのは、パフォーマンスだったという。Gen3ですでに実績を築いたチームではなく、新規参戦のオペルを選択したことについても、自身のフォーミュラEキャリア初の移籍を前に、慎重に検討した上での決断だったと語った。
「一番重要な点は『どのチームが成功するための最高のチャンスを与えてくれるのか』でした。オペルはフォーミュラEに参入する新しいチーム、新しいブランドですが、かなり高い期待と目標を持っています」
「別のチームに移るというのはこれまで経験したことのない新しいものですから、もちろん時間をかけて決めました。最終的に、オペルの姿勢がとても気に入ったことが大きかったです。実際に僕が見たもの、聞いたものから、強い自信を持つことができ、パフォーマンス面でも非常に大きな可能性を感じました。実際にどうなるかは分かりませんが、どんな決断にもそういう要素はあります」

新型マシンの導入で従来の勢力図が変わりえると予測するエバンスは、クレイジーなことは言うつもりがないと前置きしたうえで、「1年目からの優勝」という高い目標を掲げた。
「もちろん勢力図の変化はあるでしょうが、どの程度になるかは待ってみる必要があります。ですが、1年目から表彰台、そして理想を言えばレース勝利を達成できるようにプッシュしています。
「それができると思うか?答えは『はい』です。現時点では予想にとどまりますが、テストの兆候は非常にポジティブです。他のチームとの合同テストの状況を見ても、かなりいい状態にあると思います。もちろん、ここから開幕戦まで、あるいはシーズンを通して、多くの開発が行われますし、いろいろなことが起こる可能性がありますし、非常に激しい開発競争が幕を開けるでしょう。Gen4は本当に複雑ですから、開発のペースを維持できれば、トップ戦いができると自信をもっています」
オペルが初年度から優勝争いに加われるかは、シーズンを通じた開発競争で競り勝つことであると分析する。エバンス自身も現時点では確固たる証拠があるわけではないと認める一方、新天地を選んだ理由そのものが、勝利への期待にあることを明かした。
「現時点でそれを裏付ける確固たる証拠があるわけではありません。今のところは、自分の感覚に基づくものです。ですが、僕がそれが可能だと思っていなければ、オペルに移ることはなかったでしょう」
「僕は勝つことに慣れていますし、それを止めたくはありません。ですから優勝は『できる』と思っています」




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