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「最終ラップで勝てるとは」ティクタム、8戦ぶりのポイントを優勝で飾る

25日夜にナイトレースとして開催されたABB FIA フォーミュラE世界選手権の第14戦「2026 TDK 東京E-Prix」。クプラ・キロのダン・ティクタムが、最終ラップでオーバーテイクを見せ一年ぶりの優勝を飾った。

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「最終ラップで勝てるとは」ティクタム、8戦ぶりのポイントを優勝で飾る

 25日夜にナイトレースとして開催されたABB FIA フォーミュラE世界選手権の第14戦「2026 TDK 東京E-Prix」。クプラ・キロのダン・ティクタムが、最終ラップでオーバーテイクを見せ一年ぶりの優勝を飾った。

 自身にとって第6戦マドリッドE-Prix以来のポイントを表彰台とともに持ち帰ったティクタムだが、表彰台でのセレブレーション中にスコールに見舞われた。直後に開催されたプレスカンファレンスでは、びしょ濡れの体について問われ、「雨とシャンパン全部だよ」と笑顔も見せた。

 8戦のあいだ無得点という厳しい時間を過ごしていたティクタム。優勝をへて、”最悪”と称するシーズンを振り返った。
「この2回目の優勝は、自分のキャリアにとって本当に重要です。今季ここまで、予選では自分の実力を示せていましたが、レースでは運に恵まれず結果につながっていませんでした」
「速さはずっとあったものの、シーズン序盤には何度も接触に巻き込まれ、中盤はチームとして戦略面でもうまくいかず、多くのポイントを失いました」
「正直、キャリアの中でも最悪と言えるくらい運が悪いシーズンでした」

 今季、メキシコとモナコでチームから「戒告処分」を受けたこともあり、パフォーマンス不足による契約終了やチームとの不仲もささやかれていた点にも触れた。
「数週間前にメディアで報じられたことについては、もう話したくありません。チームとは必ずしもいつも意見が一致していたわけではありませんから」
「それでもガレージのメンバー全員には本当に感謝しています。最後まで信じて戦ってくれました」

 第14戦の予選では6位と、3列目グリッドを確保したティクタムだったが、その結果には満足していなかったと明かした。
「予選ではタイヤの温度設定を少し間違えてしまいました。ですから、今日は表彰台に上がれれば十分だと思っていました」
「レースは思ったほど荒れず、曇っていたことで路面温度も高くならず、自分たちのマシンには有利な展開でした」

 30秒間の間ピットに止まり急速充電を行うピットブーストレースだった今日。ティクタムは、レースの多くをリードしていたジェイク・デニスに対し、逆の戦略を選択していたことが勝機となった。
「ピットブーストのタイミングは適切でした。一時はジェイクが前に出て『今日は2位かな』とも思いましたし、最終ラップで勝てるとは思っていませんでした。本当に嬉しいです」

 そんななか、ティクタムは2位を走行していたレース終盤に、1位を走るデニスにむけ「戦わずに協力しようと伝えてくれ」という無線がチームへ飛ばされていた。この無線の意図は、エネルギーマネージメントにあったと明かす。
「残り7、8周くらいで、お互いエネルギー残量もほぼ同じでしたから、無理に争って後ろを追いつかせるより、お互い協力した方が良いと思ったんです。だから『落ち着いていこう』という意味で無線を送りました」
「ジェイク(・デニス)には実際そのメッセージが伝わっていなかったみたいですが、お互い信頼関係があります。彼が必要以上に守りに入らなかったことも、お互いに良かったと思います」

 プレスカンファレンスの最後に、東京E-Prixの直前に逝去したシトロエン・レーシングのシリル・ブレイス代表へ「モータースポーツ界全体がショックを受けている出来事がありました。この勝利を、その方とご家族、そして影響を受けたすべての人に捧げたいと思います」とコメントした。

(文・写真=矢野 巧)

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