
ABB FIA フォーミュラE世界選手権の第14戦・第15戦「2026 TDK 東京E-Prix」が、7月24日・25日の2日間にわたり東京ビッグサイト周辺の市街地コースで開催された。週末に2レースが行われるダブルヘッダーのスケジュールの中、シトロエン・レーシングのニック・キャシディが両レースともに表彰台を獲得した。

24日に行われた第14戦、7番手グリッドから追い上げて3位表彰台を獲得したキャシディは、レース後、東京E-Prixの直前に42歳の若さで逝去したシトロエンのチーム代表シリル・ブレイス氏への想いを語った。
「簡単な週末ではありませんでしたが、それでもチーム全員が本当に素晴らしい仕事をしてくれました」
「故人は、私たち皆にとって大切な存在でした。きっと今日の結果を誇りに思ってくれていると思います」
レース最終盤、首位を走るジェイク・デニスがペースを落としたことで、キャシディはトップ2台に接近しながらチェッカーフラッグを受けた。表彰台が見えた瞬間について問われると、「レースのかなり早い段階から競争力があると実感していた」と明かす。
一方で、シトロエンにパワートレイン(PT)を供給するステランティス製のPTについて、他の上位マニュファクチャラーズに対し「劣っている」と分析している。完璧な週末を過ごすためには多くのやるべきことがあったと話す。
「自分としては持っているパッケージを最大限引き出せたと思います。現状では3、4メーカーのパワートレインが僕たちより優れていますし、完璧な仕事をしなければ表彰台には届きません」
「今日の戦略は100点満点ではなく、もし完璧なら優勝争いもできたと思います。それでも今の戦力を考えれば、この3位は最高の結果です。」
トップ2台を追い詰めかけたレース運びに悔しさものぞかせながらも、キャシディは第7戦以来となる久々の表彰台に喜びを見せた。
翌25日の第15戦、キャシディは13番手グリッドからのスタートとなった。前日以上に厳しい条件となったものの、コンディションを見極めた戦略と最終盤の赤旗中断を味方につけ、ポジションを守りきり2位でチェッカーフラッグを受ける。2日連続の表彰台登壇を果たした。

この日もチームとして最大限の結果を残せたと語ったキャシディ。今季苦しんでいたチームメイトのジャン=エリック・ベルニュが5位入賞を果たしたことにも触れ、チーム全体にとって良い週末になったと強調した。
「チームにとっていい結果ですし、JEV(ベルニュ)もいいレースをして素晴らしいレース展開で終えることができました」
追い抜きが難しいとされる東京のコースで、予選上位に入れず後方からの追い上げを強いられた点については、自信もオーバーテイクの難しさを感じていたと振り返る。
「予選は全力を出すことができませんでした。上位に食い込めるかもとも思っていたのですが…。東京ではオーバーテイクは難しいかと思っていましたが、うまくいきました」
キャシディはフォーミュラEに参戦する以前、長年にわたり日本でキャリアを積み重ねてきた。「ホームのように感じる」と明かす日本でのレースは、特別な想いをもって臨んでいたと明かした。
「たくさんの日本の友人やファンからサポートを受けています。日本では、忠誠的なマニュファクチャラーが支えてきてくれた場所でもありますし、キャリアを紡いできた場所ですから、ホームレースのような気持ちもありました」
「(代表の逝去直後のチームの状況として)盛り上がれないこともありますが、自分たちチームを誇りに思っています。いつもいい結果を届けたいと思っていたので、今日は特別な日になりました」
(文・写真=矢野 巧)








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