
8月15日・16日、ABB FIA フォーミュラE世界選手権の第16戦・第17戦ロンドンE-Prixが、イングランド・ロンドンで開催される。
チャンピオンシップリーダーのジェイク・デニスにとっては、2022/23シーズン以来となる自身2度目のチャンピオン獲得を懸けた最終決戦となる。
東京E-Prixでは2戦連続で表彰台に上がり、タイトル争いの主導権を握ったものの、2位のミッチ・エバンスとの差はわずか2ポイント。3位のパスカル・ウェーレインとも4ポイント差で最終ラウンドを迎える。
悲願の初タイトルを狙うエバンスが「2レースのシュートアウト」と表現したように、デニスもまた、この週末はシーズン序盤に立ち戻ったような状況だと捉えている。
「開幕戦に戻り、全員がゼロポイントからスタートするような感覚です」
現行マシンであるGen3の初シーズンにチャンピオンを獲得したデニス。Gen3最後のシーズンとなる今季、その締めくくりを再び世界チャンピオンとして迎えるチャンスをつかんだ一方で、チャンピオンシップを意識しすぎることを避けている。
「車を降りたときに『自分のすべてを出し切った。それでも勝てなかった』と言えるのであれば、オフシーズンにかなり良い気持ちで入れると思います」
「成功したGen3時代だった、とね」
2022/23シーズンに一度タイトルを経験していることが、今回のプレッシャーのなかで助けになるのかと問われると、デニスは自身とウェーレインが「その感覚を経験したことがある」という点に意味があると説明した一方で、幾度もタイトルに近づきながら、いまだ頂点に届いていないエバンスについては、もし今週末にタイトルを獲得すれば、それ以上にふさわしい人物はいないと語った。
「僕とパスカル(・ウェーレイン)は、その感覚を経験したことがあるということだけです」
「もし日曜日にミッチ(・エバンス)がタイトルを手にしたなら……何年も、何度も、あと一歩まで迫ってきたミッチ以上に、ふさわしい人はいないと思います」
デニスがチャンピオンシップリーダーへと浮上した背景には、シーズン終盤における追い上げがある。ここ5戦で現在のポイントの半分以上となる80ポイントを獲得し、シーズン中盤までのビハインドを一気に覆した。
その転機となったのが、中国・三亜で開催された第11戦だった。猛暑のなかで行われたレースでデニスは優勝を飾り、さらに当時のチャンピオンシップ上位4人がそろって無得点に終わったことで、大きくポイント差を縮めた。
「三亜で25ポイントを獲得し、ライバルたちがポイントを獲得できなかったのは大きな後押しになったと思います。でも、それでもまだかなり後方にいました。その後、東京では良いパフォーマンスがあり、どのコンディションでも素晴らしい週末でした」
「東京を離れる時が、初めて『このタイトルを獲れるかもしれない』と感じた瞬間でした。シーズン9(2022/23)でタイトルを獲ったときと比べると、今回は本当にどこからともなく出てきたような感覚があります。東京の後まで、チャンピオンシップ争いの主役になっていたという感覚がほとんどありませんでしたからね」
「遅れてパーティーにやって来たようなものですが、僕たちはこのタイトルを獲りに来ています」
デニスにとって、チャンピオンシップを争う立場でロンドンの最終戦を迎えるのはタイトルを獲得した2023年以来。4年ぶりに訪れた自身2度目の王座獲得のチャンスを前に、デニスは「最後にタイトルを獲ってから、もう一生分くらい時間が経ったように感じます」と心境を明かした。

「もう一度ワールドチャンピオンになるという感覚を味わいたいんです。すでに1つタイトルを手にし、『Gen3をワールドチャンピオンとして終えることができる』と言えるのは素晴らしいことです」
「最後の2年間は僕たちチームにとって本当にかなり厳しいものでした。それを今になってひっくり返して、このポジションにいるということは、十分に大きな成果だと思います。カスタマーチームとして2つの世界的なメーカーと戦うというのは、非常に印象的といえるでしょうね」
「ですから、最後に車を降りたとき『自分の仕事をやり切った』と思えるのであれば、僕はそれで満足です」
デニス、エバンス、ウェーレインの3人を中心に、9人がチャンピオン獲得の可能性を残して迎えるロンドンE-Prix。Gen3最後の王座をめぐる争いは、2レースによる最終決戦で決着を迎える。
(文=矢野 巧)






コメント(0)
コメントを残す