
6月19日に中国・海南島の三亜で開催された三亜E-Prixを皮切りに、ABB FIA フォーミュラE世界選手権はアジアラウンドへと突入した。気温32℃、湿度90%に迫る過酷な環境で行われた三亜に続き、同じく30℃前後の暑さが予想される上海E-Prix、そして7月25日・26日に開催される東京E-Prixが控えており、ドライバーやチームにとって暑さとの戦いが続く。
レース中、コクピット内の温度は40℃を超えるともいわれる。そんな過酷な環境のなか、エンビジョン・レーシングのドライバーが着用するレーシングスーツは、一般的なレーシングスーツよりもレイヤーを1層減らし、軽量性と快適性を高めた仕様となっている。そのレーシングスーツを製造しているのが、日本の帝人株式会社だ。
帝人株式会社は1918年、レーヨンの製造技術を確立した帝国人造絹糸として創立。現在はマテリアル事業やIT事業などを世界各地で展開している。2020年からはエンビジョン・レーシングのスポンサーとなり、チームが掲げる「Race Against Climate Change(地球温暖化に挑むレース)」という理念に共感し、「気候変動の緩和と適応」の実現をともに目指している。

同社の高い難燃性・耐熱性を備えるメタ系アラミド繊維「コーネックス・ネオ」を採用したレーシングスーツは、高い安全性を確保しながらも優れた伸縮性と通気性を実現。ドライバーの快適性向上にも大きく貢献している。
そのスーツを着用し、気温32℃、湿度90%という厳しいコンディションの三亜E-Prixを戦ったジョエル・エリクソンは、その快適性について語った。
「私たちはとても薄く、とても軽く、もちろん炎などから確実に身を守ってくれる特殊なスーツを着用できています。このような気候ではできる限り屋内にとどまり常に体をクールに保つように心がけていますが、このスーツではレース中も非常に高い快適性を感じています」
帝人にとってホームレースとなる東京E-Prixは、7月25日・26日に東京ビッグサイト周辺の市街地コースで開催される。日本の技術が支える安全性と快適性を武器に、エンビジョン・レーシングがどのような戦いを見せるのか注目したい。
(文・インタビュー=矢野 巧)






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