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ダ・コスタ、スピンから追い上げ表彰台も前戦を後悔。「ティクタムだと分かってたのに」【モナコE-Prix プレスカンファレンス】

5月17日、ABB FIA フォーミュラE 世界選手権の第10戦が、モナコ市街地サーキットで開催された。公道レースの代名詞ともいえる象徴的なトラックで、スピンからのリカバリーを見せたアントニオ・フィリックス・ダ・コスタ …

ダ・コスタ、スピンから追い上げ表彰台も前戦を後悔。「ティクタムだと分かってたのに」【モナコE-Prix プレスカンファレンス】

 5月17日、ABB FIA フォーミュラE 世界選手権の第10戦が、モナコ市街地サーキットで開催された。公道レースの代名詞ともいえる象徴的なトラックで、スピンからのリカバリーを見せたアントニオ・フィリックス・ダ・コスタが3位、ブラジル人ルーキーのフェリペ・ドルゴビッチが2位で自身初表彰台を獲得。優勝はオリバー・ローランドで、自身2度目のモナコ制覇を果たした。

 表彰台を獲得したこの3人がプレスカンファレンスに登壇した。


オリバー・ローランド
日産・フォーミュラE・チーム

Photo: Joe Portlock/LAT Images

今季初勝利がモナコ、それも2年連続での勝利というのは特別な栄誉に違いありませんね。

間違いないですね。モナコで勝つことはすべてのドライバーの夢だと思います。F2時代、そして昨シーズンも成し遂げることができました。
「またそんなことが起きるのだろうか」とも思うものですが…。本当に特別な気分です。

今回のレースは「クラシック・ローランド」といえるのではないでしょうか。
(ローランドは効率性の良さを武器にレース後半で追い上げていくのを特徴としている)

Photo: Simon Galloway/LAT Images

そうですね、私らしいレースだったと言えます。
エネルギーの面では多くのことを守らなければならなりませんでした。かなり早い段階からアタックモードを使うドライバーがたくさんいましたが、彼らのペースが速かったために、混乱が比較的少なかったですね。

昨日(第9戦)より少し波乱の多いレースになりましたが、想定していましたか?

予想していたようなレースではなく、その展開に適応しなければなりませんでした。
ミュラーが4周目にアタックモードを使いましたが、6分間を選択したことに衝撃を受けました。いつか”孤独”になるだろうなと思いましたね。
私としてはかなり良いレースでしたが、もし上位陣がもう一度レースをやり直すとしたら同じ戦略をとることはないでしょうね。

あなたはコックピット内から自分で判断を下すのを好むことで知られていますが、今回の戦略は誰が決めたのでしょうか?

だいたいの目標やターゲットとする周回数についてのプランは決めていますが、ペースの関係でエネルギー温存のフェーズは伸びました。
エネルギーに余裕があることはチームが教えてくれていましたし、アタックモードを使って追い抜くことが可能だと分かっていました。

最初の2分間のアタックモードは私が選択しました。ポジションを落とさずにアタックモードを取ることができたので、まずは2分間を消化し、より良いエネルギー状態で残りの6分間の優位性を保つことがかなり重要だと考えました。
残りのアタックモードはフルコースイエローの直後にチームからの指示ですぐに入るように言われましたから、両方の選択の組み合わせです。

残り7戦となりましたが、チャンピオンシップは2位となりました。2連続チャンピオンになるためには、何が重要になるのでしょうか。

予選でのパフォーマンスが必要です。フィーリングと自信が足りていませんね。
シーズン前半は、何とか結果をかき集めてきたという感じですが、タイトルを争うためには少しペースを上げて、レース展開に頼る部分を減らす必要があります。

今週末はまずまずでした。今日は最終コーナーでミスをしてギリギリでグループ予選を通過しました。300kWのパフォーマンスに集中しなければならず、350kWが少し妥協したものになっています。
予選で前方に並び、トラブルに巻き込まれないようにできれば、東京やロンドンのようなトラックでは助けになると思います。


フェリペ・ドルゴビッチ
アンドレッティ・フォーミュラE

Photo: Simon Galloway/LAT Images

フォーミュラEでの初表彰台をモナコで達成できましたね。

本当に特別ですね。私はモナコではFormula 2で2回、そしてフォーミュラEで1回と、3回目のレースでしたが、そのすべてで表彰台に上がっています。私にとって特別な場所なんです。
チームにと神に感謝しなければなりませんね。

モナコでのデビュー戦で表彰台を獲得できるというのは一度きりのチャンスです。昨日(第9戦)も惜しいところ(4位)まで行っていましたが、今日それを達成することができました。

レース中、どの時点で表彰台の獲得を確信しましたか?自分を疑い始めたり、何かジンクスを恐れたりしてしまうこともあるかと思いますが。

これまでのレースでは、最後の10周でバッテリーが残っていない状態になっていましたが、今回は大丈夫でした。
ベルリンE-Prix以降、いくつか変更やパーツを交換したのですが、それが効率性の大幅な向上にもつながったようです。それがよい結果につながりましたね。

私たち(表彰台を獲得した3人)とエド(・モルタラ)が一緒に走っていた時、エドはペナルティを受けていたので「少なくとも3位にはなれる」と思っていました。良い気分でしたよ。

アンドレッティからフォーミュラEに参戦して10戦が経ちました。これまでの学びを通して、再び良い結果を手にするために今後何をしていく必要があると感じますか?

レースの本質への理解理解を深められてきました。今季初めには少し苦労した部分でしたが、ようやく軌道に乗り始めています。

予選のパフォーマンスは私の強みであり、(今回の予選も)かなり満足のいくものだったと言えます。今日はポールポジションを獲得できるだけのペースがありましたが、最終コーナーでミスをしてしまいました。私の責任ですし、嬉しいものではありませんでしたね。
ですが、レースでしっかりと挽回できたと思います。
(やるべきことは)レースの展開を読み、チームとの連携をさらに深め、レースの局面で何をすべきかをより正確に把握することに尽きますね。


アントニ・フィリックス・ダ・コスタ
ジャガー・TCS・レーシング

Photo: Simon Galloway/LAT Images

レース中にスピンしながら、トップ3でフィニッシュしましたね。ほかにそんな経験はお持ちですか?
(ダ・コスタは1周目にエドアルド・モルタラに接触されスピンした)

あったとしても、多くはないですよね。
正直、「またか、もう終わりだ」と…。でも「まだ1周目だ」とも思いました。こういうレースは大混乱になるものだと分かっていましたし、後方でのバトルに加わったとき「こいつら全員、お互いにやりあうだろう」と期待していたのです。
それでも、アタックモードを使って自力で追い抜かなければなりませんでした。最終的にはうまくいきましたね。
アタックモードがまだ2、3分残っているときに先頭集団が見えてきたので「何かできるかも」と考えましたね。

最終的にはチームの素早い戦略変更があってこそです。
予選でフロントローにつけ、そこからレースに勝つための戦略を考えて用意していました。それを後方から挽回するため、いかに素早く適応させてくれたか。
戦略チーム、そしてチーム全体に本当に感謝しています。

1周目のことや、(接触しリタイアとなった)昨日のこともあって、少し複雑な気持ちはあります。チェッカーフラッグを受けたとき、自分が嬉しいのか怒っているのか分かりませんでしたよ。

今回多くのオーバーテイクをしていますが、モナコでオーバーテイクするというのは、どのような感覚なのでしょうか?

モナコで仕掛けるときは、自分のレースが終わることを覚悟しなければなりません。莫大なリスクが伴いますし、上手なドライバーもいればそうでない者もいます。この週末、コース上には本当にひどい走りをするドライバーもいました。
ですが、ここにいる2人は素晴らしかったですね。さっきも話していたのですが、「君が私に良くしてくれるなら、私も君に良くするよ」という感じです。賢いドライバーならそうやってレースをするものです。
アタックモードの残り時間が5秒しかないドライバーは厳しいディフェンスもしてくるでしょうが、相手にまだ5分も残っているなら、無理にブロックする必要はないですよね。
少なくとも私は、クリーンに(バトル)してくれるなら、彼らに対してさらにクリーンに振る舞うようにしています。

デュエル決勝では、ダン・ティクタムとポール争いをしましたね。(昨日接触しリタイヤに追い込まれた)ダンとどのような会話を交わしたのでしょう。

二日連続でポールを獲得したもののレースでは無得点に終わったティクタム
Photo: Jordan McKean/LAT Images

個人的な話しはしていません。
私は誰にでもミスをする権利はあると思っています。人がミスをしたとき、自ら謝罪に来てくれるのであれば何ら問題ないと思っています。私もミスをしますし、人は皆ミスをします。
しかし、あの子(ティクタム)は自分が何も悪いことはしていないと本気で信じていて…本当にがっかりしましたよ。(接触した)仕掛け自体も悪いですが、そこに至るまでの3周の間も本当にひどかったです。

エネルギーマネジメントやリフトオフを行うのがフォーミュラEというものです。
ブレーキング中に多少ラインが動いてしまうことはあるものですが、彼は遅く、エネルギーも不足している中、自暴自棄のようなディフェンスをしていました。
それに、私は自分自身に腹を立てています。相手がティクタムだと分かっていたのですから、(追い抜きを試みず)4位で妥協することもできたはずです。
それでも私も野心的なところがありますから、今日もフェリペの後ろにいたとき「どうしても抜きたい」と思っていましたが、昨日のことがあったので「確実に持ち帰る」ことを優先しました。
ですが、妥協することはできますが「表彰台がかかっていたのに」と思ってしまうでしょう。終わってから口にするのはいつだって簡単なことですが、物事には常に表裏があります。

私はただもう少し(ティクタムに)期待していましたし、ただ謝罪を期待していたのですがそれはありませんでした。
今日、彼がポールポジションを獲得したとき、握手して「おめでとう」と言いましたが、それだけです。
ダンのことは好きですし、以前は好きでしたから…残念です。時間が解決することはないでしょうね。

(文=矢野 巧)

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