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【第13戦 上海E-Prix 決勝】ついに勝った!ローラ・ヤマハ・ABTが歴史的初優勝!ディ・グラッシに4年ぶりの歓喜

前日の第12戦を経て、タイトル争いが1戦分の点数圏内に6人がひしめく超大混戦となったフォーミュラE。その興奮冷めやらぬ中で行われた第13戦 上海E-Prixは、雨混じりの上海を舞台に、これまでの誰もの予想覆す歴史的な一戦 …

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【第13戦 上海E-Prix 決勝】ついに勝った!ローラ・ヤマハ・ABTが歴史的初優勝!ディ・グラッシに4年ぶりの歓喜

前日の第12戦を経て、タイトル争いが1戦分の点数圏内に6人がひしめく超大混戦となったフォーミュラE。その興奮冷めやらぬ中で行われた第13戦 上海E-Prixは、雨混じりの上海を舞台に、これまでの誰もの予想覆す歴史的な一戦となった。

©Photo by Joe Portlock/LAT Images

決勝を前に、パドックには激震が走った。ランキングリーダーとして上海へ乗り込んできたミッチ・エバンス(ジャガー)のマシンにDCDCコンバーターのトラブルが発生。グリッドにその姿はなく、決勝スタートを前に無念の戦線離脱を余儀なくされた。前日のレース1で9位に沈み、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)に3ポイント差まで詰められていたエバンスにとって、これ以上ない窮地に立たされることとなった。

©Photo by Joe Portlock/LAT Images

レースは雨のためセーフティカー(SC)先導で幕を開け、4周目にグリーンフラッグ。ポールポジションのフェリペ・ドルゴヴィッチ(アンドレッティ)と、フロントローのテイラー・バーナード(DSペンスキー)が順位をキープして加速する。ここでバーナード、ペペ・マルティ(クプラ・キロ)、エドアルド・モルタラ(マヒンドラ)、ニック・デ・フリース(マヒンドラ)の4台が、オープニングラップでいきなりアタックモードに入る奇策を披露。バーナードは一時ポジションを下げるも、翌周の1コーナーまでに2位を奪い返す猛攻を見せる。

©Photo by Zhe Ji/LAT Images

その後、現地ではさらに雨脚が強まり、各チームの戦略は完全に二分された。ポルシェやアンドレッティ勢が前半にアタックモードを消化していく一方、日産やジャガー、シトロエン勢は動かない。アタックモードが一段落した9周目時点では、ポルシェが1-2位、アンドレッティが3-4位と、ポルシェ・パワートレイン勢の戦略勝ちに見えた。

動きがあったのは12周目。12番手にいたアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ジャガー)が6分間のアタックモードを発動。しかし翌周、オリバー・ローランド(日産)との軽い接触により、ダ・コスタはフロントウィングを路面に擦りながらの走行を強いられ、ブラック&ホワイトフラッグ(警告)が出される。それでもダ・コスタは意地を見せ、17周目のアタックモード終了時には3位までジャンプアップを果たした。

©Photo by Joe Portlock/LAT Images

残り10周を切り、19周目にようやくローランドやジャン=エリック・ベルニュ(DSペンスキー)らが1回目のアタックモードを起動。この時点で、終盤に誰が笑うのかは、パドックの誰も予想がつかない混沌とした状況だった。

23周目、ウェーレインがアタックモードを発動した直後、ホームストレート上でゼイン・マロニー(ローラ・ヤマハ・ABT)がストップ。コース上はイエローフラッグが振られるが、FCY(フルコースイエロー)が即座に導入されなかったことで現場は大混乱に陥る。イエロー掲示中にもかかわらずレーシングスピードでのバトルが続き、ウェーレインがベルニュをパスすると、それをベルニュとルーカス・ディ・グラッシ(ローラ・ヤマハ・ABT)が抜き返すという異常事態が発生。直後にFCYが導入され、レースは1周追加の全28周となった。

©Photo by Zhe Ji/LAT Images

25周目にレースが再開されると、圧巻のエネルギーマネジメントで首位に立ったジョエル・エリクソン(エンビジョン)が後続に2秒の大差をつけて逃げ切りを図る。しかし27周目、上位3台の差が急激に縮まると、ベルニュが首位に浮上。さらにディ・グラッシもエリクソンを捉えて2位へ上がる。

そして迎えた28周目のファイナルラップ。アタックモードをファイナルラップ分まで残したディ・グラッシが鮮やかなオーバーテイクを決め、トップを奪取。そのまま歓喜のチェッカーフラッグを受けた。

©Photo by Zhe Ji/LAT Images

優勝はローラ・ヤマハ・ABTのルーカス・ディ・グラッシ。2位にベルニュ、3位にエリクソンが入った。驚くべきことに、この1-2-3位の3名は、予選の19位・18位・17位という最後尾近くからスタートしたドライバーたちだった。

「雨脚が引いた時間が長かったため、失うもののない後方のマシンが冷静に先を読み、ドライ路面を見据えてタイヤの空気圧を高めに設定できたことが勝因ではないか」との分析もある。

©Photo by Zhe Ji/LAT Images

この勝利は、ローラとヤマハにとってフォーミュラEでの歴史的な初優勝となった。そしてディ・グラッシにとっては2022年のロンドンE-Prix以来、実に4年ぶりの勝利。今シーズン限りでLOLAとの提携解消を発表しており、これまでアウディやクプラのワークス活動を支えてきた名門ABTスポーツラインにとっても、2021年ベルリンE-Prix(この時の勝者もディ・グラッシだった)以来のトップチェッカーとなった。

勝利を喜ぶ、ヤマハ発動機 フォーミュラE開発グループリーダーの梅田泰宜さん
チームに帯同する、ヤマハ発動機の日本人エンジニアの皆さん。勝利の立役者達です!

ガレージには今季限りでの引退が囁かれる彼へのメッセージが掲げられていたが、それを感じさせない圧巻の衰え知らずの走りを披露してみせた。

なお、レース終了後にはイエローフラッグ運用を巡り、パドックが紛糾。普段ならメディア対応後すぐに帰路につくドライバーたちが、こぞってレースコントロールへ直行し、2時間以上も話し合いが行われる異例の事態となった。最終的にはコース外追い抜きがあったダン・ティクタム(クプラ・キロ)への1ポジションペナルティを除き、全員がお咎めなしという柔軟な裁定が下された。

この背景には、今週末からレースコントロールのアドバイザーに就任した元F1ドライバーのダニール・クビアトの存在があったと噂されている。アドバイザーとは、一貫性のない裁定に抗議したドライバー組合が対策を求め、今季から設置されたポジションである。そこに新規起用されたクビアトが、柔軟な判断を後押しした可能性は高い。

©Photo by Joe Portlock/LAT Images

ドラマに満ちた上海の2連戦が終わり、次戦はいよいよ我々の母国レース、東京E-Prixを迎える。シーズン開幕前、日産が1勝、そしてヤマハが1勝を挙げて東京へ凱旋すると、一体誰が予想できただろうか。

もしエバンスが上海で独走していれば東京での戴冠もあり得たが、結果は真逆となった。タイトル争い、そしてメーカーのプライドをかけた母国優勝争い。あらゆる思惑が交錯する東京の2レースは、間違いなく激戦となる。

東京E-Prixは7月25日(土)・26日(日)、東京ビッグサイト特設公道コースで開催される。決戦の火蓋が切って落とされるまで、あと20日だ。

第13戦 上海E-Prixのリザルトはこちら

(文=河合優利)

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