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デ・フリースが東京初優勝。終盤の多重クラッシュと赤旗を経て今季2勝目【第15戦 東京E-Prix 決勝】

ABB FIA フォーミュラE世界選手権 第15戦 東京E-Prixの決勝レースが行われ、ニック・デ・フリース(マヒンドラ)が優勝を飾った。 スタートの直前、コースにパラパラと雨が落ちた。

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デ・フリースが東京初優勝。終盤の多重クラッシュと赤旗を経て今季2勝目【第15戦 東京E-Prix 決勝】

ABB FIA フォーミュラE世界選手権 第15戦 東京E-Prixの決勝レースが行われ、ニック・デ・フリース(マヒンドラ)が優勝を飾った。

スタートの直前、コースにパラパラと雨が落ちた。決勝開始時には降雨が止んでいたものの、路面の一部に水が残っていたため、レースはセーフティカー先導でスタートした。

1周目をセーフティカーの後方で走行した各車は、2周目にスターティンググリッドへ整列。改めてスタンディングスタートが行われた。

ポールポジションのエドアルド・モルタラ(マヒンドラ)が首位を維持し、2番手にアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ジャガー)が続く。後方でも大きな混乱はなく、レースは順調に始まった。

(Photo by Takashi Aoyama/LAT Images

3周目、ダ・コスタが早くも4分間のアタックモードを起動。アクティベーションゾーンを通過しても順位を落とさず、2番手のままコースへ戻った。

同じタイミングで、オリバー・ローランド(日産)は4分、パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)は6分、ニコ・ミュラー(ポルシェ)は4分のアタックモードを選択。翌周にはジャン=エリック・ベルニュ(シトロエン)も4分間のアタックモードを起動した。

追加出力を得たドライバーたちは、順調にポジションを上げていく。ダ・コスタもモルタラを捉え、レースリーダーへ浮上した。

一方で、序盤は雨が再び強まることなく、路面は徐々に改善。アタックモードを早い段階で使用した上位勢は、まだ使っていない後方の車両に対し、10周目の時点でバッテリー残量に約6%の差を抱えていた。

モルタラが反撃に出たのは14周目。4分間のアタックモードを起動し、首位のダ・コスタとの差を詰めていった。

しかし15周目、最終コーナーでペペ・マルティ(クプラ・キロ)がクラッシュ。セバスチャン・ブエミ(エンビジョン)に押し出される形でコントロールを失い、フルコースイエロー(FCY)が導入された。

モルタラはアタックモードを約1分30秒残していたものの、FCY中はその速さを生かせない。首位奪還を狙っていたマヒンドラにとって、大きな痛手となった。

レースは16周目に再開。17周目にはテイラー・バーナード(DSペンスキー)とダン・ティクタム(クプラ・キロ)がアタックモードを使用した。

バーナードは追加出力を生かして上位へ進出し、19周目にはダ・コスタとモルタラを相次いで攻略。レースリーダーに立った。

Photo by Joe Portlock/LAT Images

20周目には、前日のレースを終えてドライバーズランキング首位に浮上していたミッチ・エバンス(ジャガー)がアタックモードを起動する。

しかし、その前を走るローランドが激しく抵抗。アタックモードを使用していないにもかかわらず巧みにポジションを守り、エバンスにオーバーテイクの機会を与えない。

エバンスは4分間のアタックモードをほとんど生かせないまま終了。対するローランドは、その後も通常出力の状態で順位を上げていった。

24周目にはダ・コスタをかわし、2番手へ浮上。日産の母国レースで、ローランドが表彰台争いへ加わった。

翌25周目、首位を走っていたバーナードが2回目のアタックモードを起動。アクティベーションゾーンを通過したことで一時的に2番手へ後退した。

終盤に入ると、戦略の異なるドライバーが入り乱れ、首位争いはさらに複雑になっていく。

28周目には、アタックモードを使用したデ・フリースがトップへ浮上。29周目の時点で、上位11台のうちアタックモードを一度も使っていなかったのはローランドだけだった。

Photo by Takashi Aoyama/LAT Images

レースには1周の追加が決まり、全34周へ延長。

31周目には、ジェイク・デニス(アンドレッティ)もローランドと同様にアタックモードを遅くまで温存する戦略を採用。ローランドのひとつ前の順位を走りながら、終盤の勝負に備えていた。

しかし32周目、レースの流れを大きく変えるアクシデントが発生する。

10番手付近を争っていたジョエル・エリクソン(エンビジョン)とモルタラがターン7で接触。エリクソンがスピンし、モルタラと正面から衝突した。

さらに後方からダ・コスタも追突。複数のマシンがコース上に停止し、走路が完全にふさがれた。

ジャガーの2台、ローラ・ヤマハ・ABTの2台、ティクタムらも行き場を失ってストップ。レースコントロールは直ちに赤旗を掲示し、全車がピットレーンへ戻ってコースの復旧を待つことになった。

しばらくの中断を経て、各車はセーフティカー先導でコースへ復帰。この周回が33周目として扱われ、残るレースは最終34周目のみとなった。

セーフティカーがピットへ戻ると、ローリングスタートでレース再開。

この時点で、未使用のアタックモードを残すドライバーはいなかった。赤旗が掲示された際にアタックモードを使用していたローランドやデニスも、残り時間を生かせないまま追加出力を失っている。

最終周は、全車が通常出力で争う一発勝負となった。

トップのデ・フリースは再スタートでもポジションを守り、そのままチェッカーフラッグ。モナコE-Prix以来となる今シーズン2勝目を挙げ、東京E-Prixでは初優勝を果たした。

Photo by Joe Portlock/LAT Images

2位にはニック・キャシディ(シトロエン)が入り、前日の3位に続いて2戦連続の表彰台を獲得。3位のデニスも、前日の2位に続いて東京で連続表彰台を記録した。

ローランドは赤旗によって終盤のアタックモードを生かせず、4位でフィニッシュ。日産の母国レースで、表彰台まであと一歩に迫った。

ローラ・ヤマハ・ABTは2台が12位と13位に入り、ポイント獲得には届かなかった。

ウェーレインは15位でレースを終え、東京E-Prixの2戦をノーポイントで終える厳しい週末となった。

一方、ドライバーズランキング首位で第15戦を迎えたエバンスも、終盤の多重クラッシュに巻き込まれてノーポイントに終わった。

その結果、デニスが146ポイントでランキング首位へ浮上。144ポイントのエバンスが2位、141ポイントのウェーレインが3位、132ポイントのローランドが4位につける。タイトル争いは、9人のドライバーに可能性が残る大混戦となった。

次戦はいよいよ最終ラウンドのロンドンE-Prix。史上まれに見る接戦のチャンピオン争いが、最後のダブルヘッダーで決着する。

Photo by Joe Portlock/LAT Images

ABB FIA フォーミュラE 世界選手権 第15戦 東京E-Prix 決勝リザルト

1位 ニック・デ・フリース(マヒンドラ)
2位 ニック・キャシディ(シトロエン)
3位 ジェイク・デニス(アンドレッティ)
4位 オリバー・ローランド(日産)
5位 ジャン=エリック・ベルニュ(シトロエン)
6位 ノーマン・ナトー(日産)
7位 セバスチャン・ブエミ(エンビジョン)
8位 ニコ・ミュラー(ポルシェ)
9位 テイラー・バーナード(DSペンスキー)
10位 マキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)
11位 フェリペ・ドルゴヴィッチ(アンドレッティ)
12位 ゼイン・マローニ(ローラ・ヤマハ・ABT)
13位 ルーカス・ディ・グラッシ(ローラ・ヤマハ・ABT)
14位 ダン・ティクタム(クプラ・キロ)
15位 パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)
16位 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ジャガー)
リタイア ミッチ・エバンス(ジャガー)
リタイア エドアルド・モルタラ(マヒンドラ)
リタイア ジョエル・エリクソン(エンビジョン)
リタイア ペペ・マルティ(クプラ・キロ)

(文=河合優利)

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