
シーズン11で急成長を見せるマヒンドラは、ベルリンで開催されたルーキーテストでフェラーリF1育成のディノ・ベガノビッチを48号車のドライバーとして起用した。

2020年にフォーミュラデビューを果たし、名門プレマとともに多くのカテゴリへ参戦したベガノビッチは、Formula Regional European Championshipでチャンピオンを獲得するなど速さを魅せてきた。
2024年シーズンの途中、DAMSからFIA-F2デビューを果たすとすぐに表彰台を獲得するという活躍を見せ、翌2025年からのレギュラー参戦に向けポジティブな結果を持ち帰るが、今シーズンのF2参戦を前に資金難でプレマと決別、現在はHitechから参戦している。
そんな中、同じくF2ドライバーでアルピーヌ育成ドライバーであるクシュ・マイニとともにFormula Eデビューが決定した。
まずはダブルヘッダーの日曜日に現地入りしたボスニアとスウェーデンの国籍を持つ将来有望なベガノビッチへの独占取材を振り返る。

Q.(ボスニア語で)こんにちは、ベルリンへようこそ!調子はどうですか?
!?…元気だよ!
Q.初めてのフォーミュラEに向けてシュミレータ作業をしたと思いますが、十分な準備はできていますか?
まずは初めてのテストが楽しみだね。プロフェッショナルなチームとともに仕事をすることは本当に魅力的なんだ。
すでに何度かシミュレータで走ったので準備はできてるけど、これまで経験したものとは全く違う車だからこれは新しいチャレンジだと思ってるよ。
とにかく、完全に新しい冒険にもなるから楽しみにしてきてるんだ。
Q.天気予報では、ルーキーテストの午後に雨が降るようです。(実際は終日ドライとなった)
今日も同じく雨のコンディションのセッションが続くので、このデータをもとにテストへ挑むこととなりますね。
ベルリンはほかのトラックからは大きくかけ離れたレイアウトとコンクリートの路面ですが、どのようなテストになると思いますか?
ここはストップ&ゴーで、エイペックスがふたつあるターンが多いからブレーキとアクセレーションのタイミングが大事になるよね。
特に(同じウェットコンディションの予想される)予選の走り方は特殊なものになるだろうし、エネルギーを節約してバッテリーを回生することが重要になると考えているよ。
そこから学んで最終的によい経験が得られるようなテストにしたいね。
もちろんこのドライブは僕にとってもいい経験になるけど、それだけではなく来年用に開発されるF1のパワーユニットの開発にも重要になってくるはずだね。
Q.今年はフェラーリのF1マシンを何度もドライブしていますが、FEとの違いはどこですか?
エンジンという面では現状は大きな違いがあるけど、来年のF1は内燃機関が50%に変更されるから、もしかしたらマシンの差は近づくかもね。
シュミレータの時点で既に多くの点で違いを感じているけど、特にダウンフォースレベルやタイヤの違いは僕にとって大きい。
でもチームのプロフェッショナルなオペレーションに関してはほとんど同じだし、そこからFormula Eに関して多くの新しいことを学んでる最中だね。
Q.現在 Ferrari Driver Academy(FDA)に所属していますが、今回のテスト参加はFDAのプログラムに含まれているのでしょうか?
いや、これは全く違うんだ。マヒンドラからテストに参加するということは僕にとって新しいチャレンジであって、ここでやるべきことがたくさんあると感じてるよ。
だからドライブするのが待ちきれないね!
Q.(ボスニア語とスウェーデン語で)ありがとうございます。
すごいね!(笑)またテストで会おうね!
日曜日はチームに帯同しFP3、予選、レースのオペレーションを学んだベガノビッチは、エドアルド・モルタラの48号車に乗り込み、テストへと挑むこととなった。
そして迎えた月曜日、最初のセッションをトラブルなく完走。
日産のチャンピオンマシンに乗るFIA-F2同期のガブリエレ・ミニの最速タイムから0.491秒差の5位と僅差のタイムで3時間のセッションを終えた。

フォーミュラEデビューに対しては、
「これまでの感触としては、興味深いといえるかな。チームも車も、そしてチャンピオンシップ自体もこれまでに体験したことないことばかりだったよ。ただ、最初のセッションはポジティブな結果となったし、午後のセッションももちろん楽しみだね。」
「フォーミュラEのマシンはF1へのステップアップとしては最も大きな挑戦だね。コースとマシンが小さいのはもちろん、グリップレベルは僕やみんな
が慣れたものより低くて、ドライビングを大きく変える必要がある。」
「昨日の(ニック・キャシディがP21から優勝した)レースを見ればわかる通り、バッテリーのマネージメントが結果を大きく左右することになるから、そこを学んでる最中だね。」
とコメントした。

予報に反し太陽が姿を見せる中迎えた2回目のセッションだったが、開始前に行われていたギアボックス交換にトラブルが発生。
マイレージの影響でインターバルの間に新品のコンポーネントを投入した48号車だったが、テスト用の認証を受けていない部品を使用してしまい、更にもうひとつの新品へと交換し、FIAの承認を受ける必要が生じた。
これにより最初の1時間ほどをガレージのなかで過ごすこととなった。

その後承認を受けてピットアウトすると、ドライブできなかった時間を取り戻すような走りで周回を重ね、15位でチェッカーを受けEVレースデビューを終えた。

フェラーリ育成ドライバーとして現在FIA-F2に参戦。
すでにバーレーンGPとオーストリアGPでフェラーリから2回のFP1ドライブをも経験しているベガノビッチ。
将来のF1デビューを約束されているといっても過言ではない21歳の彼の口から飛び出したのは「フォーミュラEはF1育成と関係ない全く新しいチャレンジ」との言葉。
ニック・デ・フリースに続くFEからF1デビューを果たすドライバーとなるのか、今後に期待したい。









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