”1.5秒差”オサリバン最速。S12最初のルーキーテスト”FP0”レポート【マイアミE-Prix】

”1.5秒差”オサリバン最速。S12最初のルーキーテスト”FP0”レポート【マイアミE-Prix】

 1月30日、ABB FIAフォーミュラE 世界選手権マイアミE-Prixを前に、ルーキードライバーを対象とした”FP0”が実施された。セッションは通常のフリープラクティスと同様に40分間で行われ、各チームにはフォーミュラE参戦4戦以下のドライバーを少なくとも1名起用することが義務付けられている。
 このルーキープラクティスは、これまでローマ、ミサノ、ジェッダでも開催され、ニック・キャシディやニック・デ・フリースら、現在グリッドで活躍するドライバーに現行車ドライブの機会を提供してきた。
 今回のFP0はシーズン12開幕前にバレンシア公式テストで実施された女性ドライバーテストに続く取り組みのひとつであり、フォーミュラEとFIAが次世代ドライバーに向けて多様で包括的な育成の道筋を整える姿勢を示すもの。バレンシアに続き、本セッションにも2名の女性ドライバーが参加している。

 エントリーリストには計11名のドライバーが名を連ねた。当初は各チーム1名のみの起用が予定されていたが、後に2名の起用も可能となった。ただし、日産を除く9チームは1名のみの起用にとどまっている。
 今回のルーキーは全日本Super Formula選手権や、FIA Formula2、インディNXT、GB3、F1 Academy、DTMなどに参戦するドライバー。いずれも過去にルーキーテスト、もしくは女性ドライバーテストに一度以上参加しており、現行車両であるGen3のドライブ経験を有する。

 ローラ・ヤマハはシーズン11から開発ドライバーを務める日本と豪州のハーフ、飛雲・バーターを起用。バーターにとって昨季ベルリンに続き三回目のFEドライブとなる。

Simon Galloway/LAT Images

 また、マヒンドラの48号車のステアリングを握るのはバレンシア女性テストに引き続きクロエ・チェンバース。中国広東省出身の21歳アメリカ人が、ホームでのFP0に挑む。

 なお、クプラ・キロのマシンをドライブしたペペ・マルティは、今季フォーミュラEデビューを果たしたレギュラードライバー。シーズン12から「最初に参戦したシーズンが終了するまで、ルーキーとみなされる。(FIA Formula E World Championship – Sporting Regulations 2025-2026 : Article 4.7)」と規定されたことにより、レギュラードライバーでありながらFP0への参加が可能となった。


 マイアミ現地時間30日14時30分、40分間のルーキーのみのセッションがスタート。開始時の外気温は20℃、路面温度は27.4℃。天候はドライで、安定したコンディションのもと開始された。
 全長2320mのマイアミ・インターナショナル・オートドロームに、11台が一斉にピットアウト。最初に計測タイムを刻んだのは、ジャガーのアレッサンドロ・ジェスティだった。

Oscar Lumley/LAT Images

 開始6分、テオ・プルシェール(シトロエン)が58.815でトップに立つと、各車は300kWで周回を重ねながら徐々にペースを上げる。ザック・オサリバン(エンビジョン)が58.633、続いてガブリエーレ・ミニ(日産)が58.614を記録し、トップタイムが次々と更新された。
 8分にはオサリバンが58.099で自己ベストを更新すると、ミニに0.515秒差をつけトップに浮上した。

Simon Galloway/LAT Images

 11分にはマルティ(クプラ・キロ)がこのセッション初使用となる350kWのアタックモードで、56.133を記録。ルーキーらが300kw走行にとどまる中、レギュラードライバーであるマルティは異なるペースで走り続ける。

Mark Sutton/LAT Images

  開始24分、ここまで300kWで4周連続でアタックモードを使用していたプルシェールが350kWまで出力を引き上げると、全セクターで最速を記録する55.903でトップに返り咲く。残り15分を切り、他のドライバーも次々と350kWでのアタックに移行する。
 その中でバーターが自身ベストタイムである56.834でコントロールラインを通過し、7位まで浮上した。

 33分にはアビー・プリング(日産)がターン11外側の縁石に乗り上げスピンを喫したが、接触はなく走行を再開。その後翌週に350kW走行で57.230を記録している。
 終盤はフライングラップの応酬となり、ニキータ・ベドリン(DSペンスキー)、ジェスティ、デニス・ハウガー(アンドレッティ)らが順位を上げたものの、プルシェールとマルティのタイムには届かなかった。

Mark Sutton/LAT Images

 残り時間が2分となるころ、オサリバンが300kW走行でフライングラップに入ると、セクター2を最速となる19.451で通過。これはプルシェールが350kWのアタックモードで記録したものより0.1秒速いタイム。セクター3でも350kWで記録された最速タイムからわずか0.003秒遅れの13.966で通過すると、55.810を記録し1位へ浮上した。これは300Kw走行で2位のタイムに対し約1.5秒の大差をつけている。

 直後、ミニが350kW走行で55.921を記録し3位。2位のプルシェールも350kWで再度フライングラップに入るも、オサリバンには届かず。
 最終的に300kWで自己ベストを記録したオサリバンが全体最速となり、40分間のFP0を締めくくった。
 350kW走行での最速は全体2位のプルシェールで55.903。最多周回数はDSペンスキーの7号車のステアリングを握ったベドリンの28周だった。

 オサリバンは、
「ファステストでセッションを締めくることになり、非常にポジティブな結果となりました。車はペースがあり本当に快適ですし、このチームとフォーミュラEのマシンに戻ることができて幸せです。この走行がチームのこれからの週末の助けとなることを願います。」
と昨季ベルリンルーキーテスト以来のEV世界最高峰マシンのドライブを振り返った。

 また、エンビジョンレーシングのシルヴァン・フィリッピ代表は、
「ザック(・オサリバン)はこのマシンでの走行経験が決して多いわけではありません。それでもトップに立てたという事実は、彼自身の能力の高さを示していますし、同時にマシン側の進歩の証明でもあります。その両方が噛み合った結果ですね。彼はエンジニアが考えていることと一致する、非常に的確なフィードバックを与えてくれました。
この結果に浮かれるつもりはありませんが、とても有意義なセッションでした。週末に向けて、本当に良いスタートでした。」
とコメントした。


 次回のフォーミュラEルーキーテストはマドリッドE-Prixの翌日にあたる3月23日(月)に開催される。全10チームに対し2名のルーキードライバー起用が義務付けられており、ハラマサーキットで合計6時間のセッションとして実施される予定。

総合リザルト

POSDRIVERTEAMTIMELAPGAPINTkm/h
1Zak O’SULLIVANEnvision Racing55.81024149.7
2Théo POURCHAIRECitroën Racing55.903170.0930.093149.4
3Gabriele MINÍNissan Formula E Team55.921230.1110.018149.4
4Josep Maria MARTÍCUPRA KIRO56.133100.3230.212148.4
5Nikita BEDRINDS PENSKE56.245170.4350.112148.5
6Alessandro GIUSTIJaguar TCS Racing56.278150.4680.033148.4
7Dennis HAUGERAndretti Formula E56.577180.7670.299147.6
8Ayhancan GÜVENPorsche Formula E Team56.600110.7900.023147.6
9Hugh BARTERLOLA YAMAHA ABT FORMULA E TEAM56.834191.0240.234147.0
10Chloe CHAMBERSMAHINDRA RACING56.857231.0470.023146.9
11Abbi PULLINGNissan Formula E Team57.230211.4200.373145.9

ファステストラップアナリシス

DRIVERLAPTIMESEC1SEC2SEC3Km/hMODE
Zak O’SULLIVAN2455.81022.39319.45113.966149.7300kW
太字は全体ベストタイム


各パワー別リザルト:350kW走行

POSDRIVERSTIMELAPGAPINTKm/h
1Théo POURCHAIRE55.90317149.4
2Gabriele MINÍ55.921230.0180.018149.4
3Josep Maria MARTÍ56.133100.2300.212148.8
4Nikita BEDRIN56.245170.3420.112148.5
5Alessandro GIUSTI56.278150.3750.033148.4
6Dennis HAUGER56.577180.6740.299147.6
7Ayhancan GÜVEN56.600110.6790.023147.6
8Zak O’SULLIVAN56.622220.7190.022147.5
9Hugh BARTER56.834190.9310.212147.0
10Chloe CHAMBERS56.857230.9540.023146.9
11Abbi PULLING57.230211.3270.373146.9

各パワー別リザルト:300kW走行

POSDRIVERTIMELAPGAPINTKm/h
1Zak O’SULLIVAN55.81024149.7
2Théo POURCHAIRE57.321201.5111.511145.7
3Gabriele MINÍ57.417121.6070.096145.5
4Josep Maria MARTÍ57.655151.8450.238144.9
5Dennis HAUGER57.677231.8670.022144.8
6Alessandro GIUST57.687201.8770.010144.8
7Abbi PULLING57.818132.0080.131144.5
8Nikita BEDRIN57.87992.0690.061144.3
9Ayhancan GÜVEN58.03592.2250.156143.9
10Chloe CHAMBERS58.250182.4400.215143.4
11Hugh BARTER58.251172.4410.001143.4
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