
日産・フォーミュラEチームは26日、ゼイン・マロニーをABB FIA フォーミュラE世界選手権2026/2027シーズンのドライバーとして起用することを発表。2024/25シーズンから2年間にわたってローラ・ヤマハ・ABTに所属していたマロニーは、Gen4開発の途中でチームを離れ、日産へ移籍することになった。2025/26シーズン末をもって引退したルーカス・ディ・グラッシとあわせ、ローラ・ヤマハ・ABTはチーム発足時から参戦していた2名のドライバーが、Gen4導入を前に離脱する形となった。

2024年にローラ・ヤマハ・ABTからフォーミュラEデビューを果たしたマロニーは、2年間を同チームで過ごした。2025/26シーズンは、チームメイトのルーカス・ディ・グラッシが2026年8月のシーズン末をもって引退することを発表したこともあり、2026年11月から導入される新型マシンGen4の開発の中心は必然的にマロニーへと移っていた。
今年8月上旬にもローラのGen4テストに参加していたマロニーだが、その直後に日産への電撃移籍が決定。Gen4開発に深く関わっていたドライバーが、開発途中で別のマニュファクチャラーへ移る異例のケースとなった。
マロニーは、今回の日産への移籍を「ステップアップ」と表現している。過去にチャンピオンを獲得した実績を持つ日産への加入は、ドライバーとして自身の初優勝、さらにはタイトル争いを目指すうえでも重要な一歩となる。
日産はGen4開発において、他のマニュファクチャラーより一歩先を進んでいる可能性が高く、ポルシェとともに最速争いの筆頭に位置しているとみられている。現時点で日産は、マシンの持つポテンシャルを最大限まで引き出すパフォーマンステストを実施しているのに対し、ローラは基本構造の性能試験や各種デバイスのテストを中心に進めているにとどまる。
ローラの実車を使ったテストでは速いタイムも記録されており、開発自体が順調に進んでいることに変わりはない。しかし、12月初旬に予定される2026/27シーズンのホモロゲーションに向けて、マシンの性能を引き出すために残された時間という点では、日産の方が多くの時間を確保していることは間違いない。
そうしたなかで、Gen4開発に携わっていたマニュファクチャラーから別チームへ移籍するケースは、今回のマロニーが初めてとなる。これまで、シーズン終了前に離脱が決まったドライバーは従来のGen3.5の開発にとどまり、Gen4開発からは距離を置くケースが多かった。

これまでマロニーとともにローラのGen4テストに主に参加していたのが、チームの開発ドライバーを務める飛雲・バーターである。20歳の日豪ハーフのドライバーで、ルーキーテストにも複数回参加しているものの、2023年のFIAフォーミュラ3を最後にレース参戦からは離れており、レギュラー参戦の可能性は高くない。
また、オランダ出身のリシャート・フェルシュフォーもローラの開発に参加していることが分かっている。2025年までFIA フォーミュラ2に参戦していたフェルシュフォーは、ローラの副代表を務めるフレッド・エスピノス氏とは旧知の仲で、2026年のルーキーテストではローラ・ヤマハ・ABTから出走。その後はシミュレーター作業やGen4テストに参加していた。
エスピノス副代表もフェルシュフォーの将来的な起用に前向きな姿勢を示していた一方、まったく経験のないルーキーをレギュラードライバーとして起用することについては慎重な見方を示していた。また、フェルシュフォー自身は現在所属するマクラーレンF1プログラムを優先することを明言している。
そんななか、8月中旬にロンドンE-Prixでシーズン最終戦を終えた後、ローラがダン・ティクタムと接触していることが報じられた。ティクタムは現在所属するクプラ・キロからの離脱が決定的とみられており、ローラにとって次のレギュラードライバー候補の第一手となる可能性が高い。
ローラ・ヤマハ・ABTにとって、チーム発足からともに戦ってきたルーカス・ディ・グラッシとゼイン・マロニーの離脱は、単なるドライバー交代にとどまらない。今年チームに初優勝をもたらしたディ・グラッシは4月に引退を表明していた一方、マロニーは今月に入って電撃的な移籍を決断。Gen4という新時代の幕開けを目前に控え、ローラはドライバーラインアップだけでなく、開発体制そのものの再構築を迫られることになった。







コメント(0)
コメントを残す