きっかけは「22日は空いてる?」。初FEのフェルシュフォーとバーターに聞くルーキーテスト展望。

きっかけは「22日は空いてる?」。初FEのフェルシュフォーとバーターに聞くルーキーテスト展望。

 3月22日に開催されるマドリッドルーキーテストに向け、ローラ・ヤマハ・ABTは2名の若手ドライバーを起用。11号車のステアリングを握るのは、シーズン11からチームの開発ドライバーを務める飛雲・バーター。今回が4度目のフォーミュラEテストとなるバーターは、シミュレーターワークでの経験も通し、重要な6時間のセッションを担う。22号車にはF1マクラーレン育成プログラムに所属するリカルド・フェルシュフォーが抜擢された。フェルシュフォーにとって、今回がフォーミュラE初走行となる。

 今季はゼイン・マロニーがキャリア初ポイントを獲得するなど、着実にパフォーマンスを向上させているローラ・ヤマハ・ABT。さらなる飛躍を狙うチームとともに、重要なテストセッションに臨む両ドライバーに話を聞いた。

飛雲・バーター(ローラ・ヤマハ・ABT開発ドライバー)

Q.ローラ・ヤマハ・ABTとの初テストであった昨季のベルリンでは、エンジニアとのコミュニケーションの仕方、そして頻度について驚いていましたが、チームと数度のテストを経て、感覚は掴めてきましたか?

ええ、しっかりと慣れてきています。何日もシミュレーターで過ごしたのも役立っていますね。チームにはもう1年以上携わっているので、ゼイン(・マロニー)やルーカス(・ディ・グラッシ)とも親しくなりました。シミュレーターでは、すべてを実際のセッションと同じものを再現しようとしていますし、マシンの走らせ方、効率的なドライビングの仕方も理解できてきました。もちろん、自分の中ではまだ足りないと感じる部分はありますが、着実に馴染んできています。

Q.シーズン11からローラの開発を担っていますが、以来チームは調子が上がっているように見えますね。特に”FP0”をドライブした今季のマイアミなどを通し、チームの向上をどのように感じていますか?

確実に良くなっていると実感しています。時間をかけて取り組んでいる成果が出ていますし、全員が好成績を目指して懸命に努力していますし、お互いの関係性も良好でとても良い雰囲気です。これは大きなプラス材料ですね。結果が示す通り少しずつ順位を上げてきて安定感も増していますし、常にポイント圏内に近づいています。今年のグリッドは非常に接戦なので、あらゆる細かな要素が重要なっていますね。

Q.今回のテストでは何を目標に走るのでしょうか。走行経験は十分ですし、特別なタスクがあるのでしょうか?

現時点ではまだ話し合っていません。土曜日の午後にランプランを決めていく予定ですね。具体的にどう走るかはわかりませんが、間違いなく忙しいテストの一日になるでしょうし、できる限りのことを最大限に活用するつもりです。

Q.テスト前日となる土曜日のレース中、チームとどのようなことをするのでしょうか?

セッションを観察し、当日マシンに乗った時にすぐに適応できるように、できるだけ多くの情報を得るための学びの時間になりますね。日曜日に感触をつかむまでの時間を最小限に抑えられるよう、準備を整えることになります。

Q.このコースは他のフォーミュラEのコースや常設サーキットともかなり違いますが、レースについてはどのように予想しますか?

レースの予想は難しいですね。ピットブーストが導入されることで、戦略の幅は大きく広がりますし、何が起こるか楽しみです。レイアウトは非常に興味深いもので、エネルギーを節約したい時とターゲット通りのタイムで走るのとでは大きな差が生まれます。通常のフォーミュラEのような混乱した展開にはならず、少し落ち着いた展開になる気もしますが、今回は戦略が非常に大きな役割を果たすことになるのではないでしょうか。

Q.来シーズンのマシンである”Gen4″は非常に速いといわれていますね。
次世代のフォーミュラEマシンについて、そして現在フォーミュラEと比較されているF1マシンについて、どのような印象をお持ちですか?

全く同じというわけではありませんが、確かに共通点はいくつかありますね。だからこそ、F1関係者の多くがフォーミュラEに注目し始めているのだと思います。F1が元々目指していたレギュレーションとは違う車になっているのかもしれませんが、それが向き合うべき現実でもありますね。
そのなかでフォーミュラEがどのようなチャンピオンシップなのか、どれだけ良いレースをしているか、そしてどれほど面白いかということに人々の目が向けられ始めていることは非常にポジティブなことだと思います。

リカルド・フェルシュフォー(マクラーレンF1育成ドライバー)

Q.どのような経緯でローラ・ヤマハ・ABTをドライブすることになったのでしょうか?

数週間前、もともと知り合いだったフレッド(・エスピノス、ローラ・ヤマハ・ABT副チーム代表)から「22日は空いているか?」と連絡があったんです。それで、ルーキーテストに参加することが決まりました。このテストに参加させてくれたマクラーレンにも感謝しています。これは素晴らしい経験になりますし、チームとの仕事が始まることにワクワクしています。

Q.フォーミュラ2を経てマクラーレン育成に加入されましたが、自身に変化は?
また、同じ育成所属のレオナルド・フォルナローリは昨季ルーキーテストに参加していましたが、アドバイスは聞いてきましたか?

ずっとこういう機会を求めて努力してきたので、今こうしてF1チームと一緒に仕事ができるのは本当に嬉しいです。チームにはフォーミュラEもふくむ複数のカテゴリーで活動して得た膨大な知識が蓄積されています。ドライバーとして自分をさらに成長させるためには最高の環境ですね。フィジカル面からエンジニアリングまで、あらゆる面でマクラーレンから素晴らしいサポートを受けていますし、彼らの専門知識を活用できるのは私にとって大きなステップです。
実は、他のドライバーとはまだ全然話せていません。もっと話して、経験を深めるべきかもしれませんが。フォーミュラEにはペペ(・マルティ)など、F2時代から知っているドライバーが多くいますから、後で話をしてみようと思っています。

Q.ローラ・ヤマハ・ABTのシミュレーターは試しましたか?

ええ、1日だけですが。
これまで慣れ親しんできた車とは全く別物だと実感しました。ドライビングの仕方もそうですし、特にエネルギーセーブの概念がこれまでの普通とは大きく異なりますね。多くの調整が必要ですし、学ぶべき新しいシステムやコントロールも膨大です。でも、大変というよりは、新しいことに挑戦できるワクワク感の方が大きいですね。

Q.ハラマ・サーキットは通常のフォーミュラEのコースとは違い、さらにその中でもかなり特殊な要素が多くあります。このトラックに何を期待していますか?

実は私は市街地コースが大好きなんです。ですから、フォーミュラE初テストが市街地コースだったらうれしかったのですが…。もちろんこのコースを走れるのもいいですね。このレイアウトで走るのは初めてですが、より普通のサーキットに近いので、これまで慣れてきたF2などのマシンとこのマシンを比較するのに、良い材料になると思っています。

Q.これまでシングルシーターでレースをしてきましたが、今年は異なるカテゴリに参戦しています。フォーミュラEを通して、今後もシングルシーターのカテゴリーを探し続けるのでしょうか?

最も重要な目標はマクラーレンにあります。来年に向けて良いプログラムが組めるよう彼らと協力していますし、今年のELMS(ヨーロピアン・ルマン・シーリーズ)参戦についてもサポートしてくれています。将来がどうなるかはまだ断言できませんが、マクラーレンに長く留まることが私の最優先事項です。シングルシーターの選手権で走れる可能性があるかどうかは、時間が経てば分かってくることでしょう。

Q.あなたのフォーミュラEに対する第一印象はどうだったのでしょう?

日曜日の走行が終わったら、ぜひもう一度質問しに来てほしいですね。
今のところは、非常に興味深いといえます。どれほどのエネルギーマネジメントが必要なのか、という点には驚かされました。もちろんセーブ、そしてチャージが必要なのは知っていましたが、想像以上にその量は多いです。ちょっとした操作のすべてがエネルギー消費に直結しますから、レース中は常に頭を使い続けなければなりません。
エネルギー消費という意味では、今年のF1がフォーミュラEに近づいていると聞くこともありますね。言葉を濁さずにいうなら、私はF1には常に最速のマシンを限界までプッシュし、エネルギー節約に縛られることのない選手権であってほしいと思っています。これは全ドライバーが同意することではないでしょうか。

Q.ルーキードライバーはみな、走行中にドライバーとエンジニアがどれほど頻繁に会話しているかに驚くようです。明日からガレージの中で多くのことを学ぶことになりますが、その点に関してエンジニアと準備はしてきましたか?

まだそれほど。今週末の私はまったくの新人です。1週間前まで、コントロール系やシステムのことは何も知りませんでした。この2日間で詰め込みましたが、簡単ではありません。このマシンには新しい要素が多すぎて、2日間で完璧に学ぶのは不可能です。
今週末はチームと一緒に過ごすので、多くのことを吸収できるでしょうし、走りながら必要なことを学んでいけると思っています。自分に完璧を求めすぎず、プロセスを楽しみながら慣れていきたいですね。フィードバックのやり取りも、これまでのカテゴリー以上に密なものになるでしょう。まずはやってみて、そこからですね。

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