
フォーミュラEの第7戦・第8戦は5月1日にドイツの首都ベルリンでいよいよ開幕する。それに先立ち、今回はローラ・ヤマハ・ABTの開発ドライバーである飛雲・バーターに、ベルリン・テンペルホーフ・サーキットの分析&解説を務めてもらう。
東西分断の象徴の地であるテンペルホーフ空港跡地のこのサーキットは、コンクリートサーフェスという特異な路面特性を持つ。
バーターは昨季、ベルリンで開催されたルーキーテストに参加し95周を重ねた。さらに、日夜シミュレーター作業を通じて積み上げてきた綿密な解析データをもとに、路面の凹凸の細部にまで至るテンペルホーフ攻略の核心を分析する。
セクター1

ターン2: 幅が非常に広く、路面のバンプの影響でブレーキングが極めて複雑なセクションです。その広さゆえに、エイペックス(コーナーの頂点)を理想的な角度で捉えることが難しく、同時にレースにおいては絶好のオーバーテイクの機会を演出する場所でもあります。

ターン3~4: どのシケインにおいても同様ですが、次のターン6に向けて最高の立ち上がりを実現するためには、適切なポイントを見出すことが重要です。迫りくる壁の存在が、マシンのコントロールをより一層タフなものにしています。
セクター2

ターン6~7: レースにおける有力なパッシングポイントです。立ち上がりでの加速を最大化するためには、あえて一つ目(ターン6)のエイペックスをわずかに外すようなライン取りが求められます。

ターン9~10: 前述のコーナーと似た性質を持ちますが、ブレーキングゾーンの直前に小さなキンク(曲がり)が存在するため、ブレーキング時にはより緻密なセットアップと準備が必要不可欠となります。
セクター3

ターン12~14: コース内で最もトリッキーなセクションです。コーナーを通じて激しいバンプに見舞われるため、前半部分でいかにスピードを維持できるかが鍵となります。スロットルを早めに開けすぎてバランスを崩さないよう、忍耐強いドライビングが要求されます。
週末の展望

今週末がどのような結果となるかについては、いまだ不透明な部分が残ります。昨季のこの地ではペースに苦しんだ記憶がありますが、チームは300kW走行において着実な進化を遂げてきました。積み重ねてきた改善の成果が、この歴史的なトラックの上で証明されることを願っています。
飛雲・バーター
LOLA YAMAHA ABT 開発ドライバー

2021年にフランスF4でフォーミュラデビューを果たすと、同年参戦のスペインF4と合わせ両選手権で数多くの勝利を記録。2022年にはFIA F3へステップアップすると、同年マセラティからフォーミュラEルーキーテストに参加し、Gen3マシンを駆り98周を走破。
2024年はこの年に始まるシーズン11(2024/2025)から新規参戦となるローラ・ヤマハ・ABTの開発ドライバーに抜擢され、ベルリンルーキーテストに参加。シーズン12(2025/2026)も引き続きシミュレーターでの役割を担い、マイアミFP0やマドリッドルーキーテストでステアリングを握るなどマイレージを重ね、現行車「Gen3 evo」の経験を深めている。
テンペルホーフ・サーキットは全長2,374mでラップタイムは1分を切る非常に短いサーキット。特殊な路面コンディションも相まって、シミュレーターによる事前準備の精度が重要な鍵となることは間違いない。
ベルリンE-Prixは5月1日(金)のFP1からスタート予定。バーターの綿密なる分析とともに、シーズン中盤に突入するフォーミュラEを楽しんでいただきたい。
(文・写真=矢野 巧)




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