
フォーミュラEは、スペイン東部にて発生した豪雨災害によりバレンシアが壊滅的な被害を受けた事を考慮し、プレシーズンテストの開催地を変更。同じくスペインで、マドリードにあるハラマ・サーキットにて開催されることになった。

水曜日、記録的な豪雨がバレンシア地方を襲い、川が氾濫。大洪水が発生し、これまでに155人が死亡。行方不明者多数により死者はこれからも増える見込みと、甚大な被害を出している。
バレンシアに位置するリカルド・トルモ・サーキットでは11月4日から11月7日にかけて、フォーミュラEのシーズン前公式テストが行われる予定であった。このサーキットでは、2017年からプレシーズンテストが開催されている。
しかし、今回の大洪水により、隣接するミニモトサーキットをはじめ、施設が一部破損。とりわけ、サーキットへアクセスする為の主要道路が崩壊し、車両でサーキットへアクセスできない状況になっていた。またサーキット設備そのものは破損していない事から、現在緊急の救急センターとして使用されている。
そういった状況を考慮し、フォーミュラEは木曜日に声明を発表。リカルド・トルモ・サーキットでは、フォーミュラEのプレシーズンを行わない事を発表した。
代わりとして、同じくスペインでマドリードから来た方向へ約30kmの所に位置する、ハラマ・サーキットにてプレシーズンテストが行われることになった。
現在ハラマサーキットは主に、テストや国内シリーズ、ETRCなどに使われているが、過去にはF1やWTCRを開催した実績も持つ。

またテスト日程も少し変更となり、1日遅れの11月5日スタート、11月8日終了となる。なお女性限定テストに関してだが、こちらも同時にハラマにて開催予定とされている。
以下フォーミュラEの声明である :
「我々は皆、突発的な洪水により地域が壊滅し、多くの命が失われたバレンシアの悲惨な状況を注視してきました。我々はこれらの恐ろしい出来事の被害を受けた、すべての人々に思いを寄せており、フォーミュラEは、この悲惨な時期にこの地域を実際にどのように支援できるかを検討しています。」
「地元当局、FIA、既に現地入りしているスタッフと協議した結果、11月4日から7日に予定されていたバレンシアでのプレシーズンテストを中止することに決定しました。物流的には実施できたかもしれませんが、混乱を招かず、地元コミュニティの支援にもっと役立つ貴重なリソースを無駄にしないことが重要です。過去1週間、バレンシアで現地で作業してきたフォーミュラEチームのメンバーが数名います。彼らがこれまで地域を支援するために行ってきたこと、そしてこれからも行ってくれることすべてに、個人それぞれに感謝したいと思います。」
「プレシーズンテストは、12月6日〜7日にサンパウロで始まるシーズン11を前に、ABB FIAフォーミュラE世界選手権のカレンダーにおいて重要な時間です。新しいGEN3 Evoカーの安全性をチェックし、新しいテクノロジーを安全かつ効果的に導入できることを確立できるからです。また、このイベント中に史上初の女性テストを実施する予定です。」
「そのため、私たちは代替会場を確保することを決定し、来週11月5日(火)から8日(金)まで、マドリードのハラマ・サーキットでFIAフォーミュラE公式テストと女子テストの両方を開催する予定です。イベントの完全なスケジュールは、私たちがこの期間内にテスト業務をマドリードに移すことが可能かどうかを決定する、物流面と運用上のいくつかの課題を乗り越えていく中で、追って発表される予定です。」
「我々がまず思いを寄せるのはバレンシアのコミュニティです。この街は我々にとって特別な場所です。2017年以来、我々のカレンダーに常に記載されており、最近は運営拠点をそこに移しました。フォーミュラEにとって、ここは第二の故郷のようなものです。我々は、この悲劇的な出来事からコミュニティが立ち直れるよう、できる限りのあらゆる方法で支援し、マドリードでのテストが続く間は、最大限の配慮をもって行われるよう努めます。」
フォーミュラEのテストは中止となったものの、リカルド・トルモ・サーキットでは11月17日にMotoGPの最終戦が控えている。
MotoGPは現在の状況を注視しているが、GPクラスに参戦するライダー数名は、あの大災害の2週間後に、バレンシアでレースを開催するのは適切ではないとの考えを表明している。
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