
フォーミュラEは9日、西オーストラリアを拠点とするエネルギーソリューション企業「フォーテスキュー・ゼロ(Fortescue Zero)」が、シーズン12も引き続き”PIT BOOST”パートナーを務めると発表した。昨シーズンはじめて導入された超高速エネルギーチャージ技術が、今季もダブルヘッダーの週末に導入され、戦略的要素をもたらす。
PIT BOOSTは、ジェッダで行われる第4戦(2月13日)を皮切りに、ベルリン、モナコ、上海、東京、そしてロンドンでの最終戦まで、すべてのダブルヘッダー開催地で週末の1レースに導入される。

”PIT BOOST”は、送電網に依存しない600kWの可搬式ユニットを用いた超高速充電システムで、1レースあたり2回のバッテリー補給を可能にする。車がピットに30秒間停止している間にバッテリー容量のおよそ10%を充電できるのが特徴で、フォーテスキューがバッテリー電気式重鉱山機器の開発で培った技術を基に設計されている。同社のバッテリー知能ソフトウェア「Elysia(エリシア)」によって充電速度の最適化とバッテリー寿命および安全性の維持を両立する。
このシステムが導入されるレースでは、ドライバーは6分間のアタックモードを1回使用可能となり、ピット戦略を軸にした多様な戦略幅がレース展開に大きな影響を与える。
同技術はシーズン11において実戦およびテストを通じて検証が重ねられ、約400回に及ぶバッテリー補給で累計150万Whを超えるエネルギー供給実績を記録した。この電力量は、一般家庭約4.5か月分の電力使用量に相当する(環境省資料から算出)。

フォーミュラEの共同創設者兼チーフ・チャンピオンシップ・オフィサー、アルベルト・ロンゴ氏は次のように述べた。
「PIT BOOSTはフォーミュラEが高速技術革新の“実世界の実験場”であることを改めて示すもので、レースの見応えを高めるだけでなく、重工業の脱炭素化や電動モビリティへの移行に不可欠な技術を実証しています。」
また、フォーテスキューのモータースポーツ部門ゼネラルマネージャー、ダグラス・キャンプリング氏は、
「フォーテスキュー・ゼロの超高速PIT BOOST技術が引き続きフォーミュラEと提携し、チャンピオンシップに大きな戦略的価値をもたらします。」
とコメントした。
フォーテスキューは2003年に西オーストラリアで設立された排出ガス削減に取り組むエネルギーソリューション企業。鉄鉱石事業では、豪州=中国間で鉄道および船舶を活用し、年間1億9,000万トンを超える鉄鉱石を出荷する規模を誇る。現在は”ピルバラ・エネルギー・コネクト(PEC)”プログラムを通じ陽光発電、蓄電池、高電圧送電網の整備を進めており、2030年までに陸域事業における実質排出量ゼロの達成を目標としている。
PIT BOOSTは、こうしたフォーテスキューの技術基盤を背景に、モータースポーツで培われた革新技術を実社会へと展開する”Race-to-Road”の好例。20年以上にわたり高性能技術の開発を手がけてきたフォーテスキュー・ゼロは、過酷なレース現場で実証された技術を産業用途へと展開していく構えだ。





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