マセラティ、Gen4ルールセットに署名。フォーミュラEに2030年まで継続参戦する事が確定【フォーミュラE】

マセラティ、Gen4ルールセットに署名。フォーミュラEに2030年まで継続参戦する事が確定【フォーミュラE】

イタリアのスポーツカーメーカーでステランティスグループの一員である「マセラティ」は10月26日、突如として2026年から導入されるフォーミュラEの「GEN4」規定への参入を発表した。これにより、マセラティは2030年までフォーミュラEへ継続参戦する事になる。なお姉妹メーカーであるDSの将来は不明だ。

©︎ Stellantis Motorsport

これにより、日産、ジャガー、ポルシェ、ローラに続き5番目のGen4ルールセット署名メーカーとなった。なおマヒンドラ、そしてステランティスグループであるDSオートモービルズの将来は依然として不明だ。

イタリア・モデナを拠点とするこの自動車メーカーは、シーズン9からMSG(モナコ・スポーツ・グループ)レーシング・チームと提携しフォーミュラEへ参戦。同じステランティスグループであるDSパワートレインのハードウェアを共有しながら、独自のソフトウェアを開発してレースを戦っていた。

それ以来、マキシミリアン・ギュンターのドライブにより、シーズン10での東京を含む2勝を上げ、また2シーズンで6回の表彰台と2回のポールポジションを記録している。

しかしステランティスグループはGen4以降のフォーミュラE継続に懐疑的であった事が知られており、マセラティ本体の業績不振もあり撤退が噂されていた。そのタイミングでの突如の発表となり、ファンベースでは驚きを持って受け入れられている。

©︎ Stellantis Motorsport

サント・フィリチ(マセラティCEO)のコメント

「フォーミュラEのような権威ある革新的なプラットフォームへの取り組みを継続できることを非常に誇りに思います。このブランドにとって、レーシングカーと市販車との関係は切っても切れないものであり、GEN4への進化は、電気自動車の開発にどれほど多くの可能性があるかを示しています。私たちは、ABB FIAフォーミュラE世界選手権への参戦を通じてEV技術を磨き、それを当社のEVに反映していきます。」

ジャン=マルク・フィノ(ステランティス・モータースポーツSVP)のコメント

「当社は10年以上にわたり、DSとマセラティ向けに高効率パワートレインを開発してきました。今後もフォーミュラEのように競争が激しく将来性のある選手権で、こうした技術の開発に取り組んでいきます。また他のステランティスブランドの参加については後日発表します。」

ジェフ・ドッズ(フォーミュラE CEO)のコメント

「日産、ジャガー、ポルシェ、ローラなどの他の世界的なOEMと並んで彼らが継続的に関わっていることは、フォーミュラEが電気自動車の未来にとって、競争力があり重要なプラットフォームであるという証です。トライデント社がフォーミュラEで旅を続け、パフォーマンス、イノベーション、トラックでのアクションが強化された新しい時代を築くのを見るのが待ちきれません。」

DSオートモービルズ、そしてMSGの未来

©︎ DS Performance

マセラティの姉妹メーカーであるDSオートモービルズが、Gen4に参入するかについての決定は未だに下されていない。フォーミュラE Gen4の登録期限が2025年1月中旬まで延期された事で、マヒンドラとDSはその時期までに決定を行うと見られている。

しかしDSも自動車販売において不振に陥っており、フォーミュラEの予算は他の国際シリーズに比べると控えめという事を考慮しても、フォーミュラEにさらに4年間マーケティング費用を費やすのは行き過ぎという考え方も存在している。

大量にブランドを抱えるステランティスは、DS に代わる選択肢を検討してきたことで知られている。その候補には、ランチア (今年初めにラリーへの復帰が確認される前)、アバルト、ダッジが挙がっていたと思われる。

これらはすぐに除外されたと言われており、特にアバルトはおそらく世界選手権レベルでの参戦にはニッチすぎると考えられていた。つまり、実際にはマセラティはシーズン13(Gen4初年度)のグリッドに4台の車を持ち、MSGが事実上のワークスチームとなり、さらにエンビジョン、アンドレッティ、マクラーレン、キロのいずれかをカスタマーチームとして迎え入れる事になるだろう。

またMSG(モナコ・スポーツ・グループ)の投資家探しは引き続き行われている。シーズン9に”ベンチュリー”から名前を変えたMSGであるが、潤沢な資金がない事で知られている。実際、シーズン10ではユアン・ダルバラという”資金を持ち込むドライバー”を雇わざるを得なかったほどだ。

現状MSGに新たな投資家が加わるという話はなく、12月7日の開幕戦は、MSGの将来を決める大事なフェーズの始まりになるだろう。

フォーミュラEのシーズン11は、12月7日にサンパウロで開幕する。

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