Gen4は「速い車を、との声に回答できた」。歴代王者らが語る、600kWのパワーと“野獣”の加速がもたらす衝撃。

Gen4は「速い車を、との声に回答できた」。歴代王者らが語る、600kWのパワーと“野獣”の加速がもたらす衝撃。

 フォーミュラEは今月21日、シーズン13(2026/2027)に導入予定のマシンGen4を初披露。南フランスのポール・リカールで実際に走行したGen4マシンだが、現行車両の約1.7倍となる600kWのパワーが生み出す驚異的なスピードで多くのドライバーをうならせたようだ。

 Gen1時代のシーズン3(2016/17)にチャンピオンに輝いたルーカス・ディ・グラッシは、「600kWの加速は驚異的で、衝撃を受けた」と率直な感想を語る。大きな変更点としては、ブリヂストンが供給するタイヤのグリップ性能を挙げ、大型化されたウイングとの相乗効果により、適切なダウンフォースを備えたマシンに見えると分析している。

 一方で、ディ・グラッシは現状に満足することなく、さらなる進化に期待を寄せる。 「パワートレインは予選モードで350kWから600kWへと大幅にアップグレードされ、大きな一歩を踏み出しました。しかし、まだ改善の余地はあると思っています。ファンは、より速いマシン、激しいバトル、そして極めて競争力の高いグリッドを目にすることになるでしょう」

Photo: Simon Galloway/LAT Images

 同じくGen1時代のシーズン2(2015/16)王者のセバスチャン・ブエミは、この史上最速のマシンを「まるで野獣のよう」と表現。発表当日、初期のGen1マシンをドライブしたブエミは、その12年間の劇的なステップチェンジを「フォーミュラEにとって大きなステートメント」だと評価する。
 「時速300kmを超え、加速においてはF1マシンすら凌駕する性能は、最新技術が電気自動車で何を可能にするのかを示すショーケースになる」とも述べ、「人々もその速さを実感することでしょう。」と新たな観戦体験への期待も寄せた。

Photo: Simon Galloway/LAT Images

 Gen3時代のシーズン9(2022/23)王者のジェイク・デニスも、ポール・リカールでGen3マシンのステアリングを握った。デニスは、スピードが向上してもフォーミュラEの“DNA”であるエネルギーマネジメント戦略や、サイドバイサイドのアクションは失われないと具体的な展望を明かす。
「依然としてエネルギーマネジメントは重要になるはずです。1レースに何百回ものオーバーテイクが生まれるアクション満載のレースが今後も見られるでしょう。」

 また、今回のレギュレーション変更はファンが切望していた『もっと速いマシンを』という声に回答できたと考えているよう。「最高速度は時速300kmを優に超え、叩き出す数値はまさに規格外。ドライバーとしてもその純粋なスピードとパワーにわくわくしています」とコメントした。

 Gen3時代のシーズン10(2023/24)にフォーミュラEデビューを果たしたゼイン・マロニーは、「チームと共にマシンに対してより大きな影響を与えることができる」と語り、結果のためにチームやドライバーに求められる範囲がさらに広がったことを明らかに。
 さらに、速いマシンを操ることは「ドライバーとして常に求めていること」だと語り、その革新性を高く評価した。
 レース展開においては「非常に多くのオーバーテイクがあり、常に接戦で、前の車にぴったりと追従できることを期待」と述べ、フォーミュラE特有の接戦がより高い速度域でも再現されることへの期待を込めた。


 フォーミュラE創設から数えて13年目、最初期マシンと比べ約80km/h以上上回るスピードを見せる驚異的なマシン「Gen4」は、来シーズンから導入される。
 高速化だけでなく、100%リサイクル可能マシンという革新も備え、フォーミュラEはGen4とともに「モータースポーツの頂点」へと向け新たな領域へと足を踏み入れる。

Photo: Simon Galloway/LAT Images
Gen1はブエミ、Gen2はデ・フリース、Gen3はデニスがドライブ。Gen4にはFIAと開発を進めてきたジェームズ・ロシターが乗り込んだ。

(文=矢野 巧)

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